インタビュー
2023年12月26日
「大学生活を楽しもうとしている人たちを応援したい」大学の同好会サッカーを支援する、アットホーム株式会社の想い
サッカーを支える企業にスポットを当て、想いを聞く企画。今回はアットホーム株式会社です。同社は2012年より、JFA公認の大会「アットホームカップ インディペンデンスリーグ[同好会]」を支援しており、大学の同好会サッカーを支えています。
大学の同好会サッカーを支援するアットホーム株式会社は、どのような想いで携わっているのでしょうか? アットホーム株式会社取締役 HR&C本部本部長補佐の田中達哉さんに話をうかがいました。(取材・文 鈴木智之)
■大学の同好会サッカーを支援
――アットホーム株式会社の事業内容を教えてください
アットホームは東京都大田区に本社がありまして、不動産情報メディアや不動産業務ソリューションなどを提供する企業です。不動産会社店頭に貼ってある、物件情報をまとめた図面(ファクトシート)の原型を作ったのが当社なんです。不動産管理会社から物件情報をお預かりし、消費者に物件を紹介する不動産仲介会社にご提供する物件情報の流通が主な業務です。
アットホームを不動産会社と思っていらっしゃる方が多いのですが、当社は不動産情報流通サービス業ですので、物件を持っているわけではありません。顧客である不動産会社からお預かりした物件情報を流通させております。
全国に49事業所ありまして、当社のサービスに加盟・利用いただいている61,000店以上の不動産会社に当社のサービスに加盟・利用いただいています。最初は不動産会社間の物件の情報流通から事業がスタートしまして 、次に、消費者向け不動産情報サービスの提供、そして不動産会社の業務課題を解決する不動産業務支援サービスという3つの事業を展開しています。
――アットホーム株式会社とサッカーとの取り組みについては「アットホームカップ インディペンデンスリーグ[同好会]」「アットホームチャンピオンシップ」が有名ですが、大学の同好会サッカーを支援する目的や、経緯についてお聞かせください。
アットホームカップは、同好会カテゴリーでは唯一のJFA公認の大会で、同好会に所属する全選手が目指す大会です。その中で、各大学のチャンピオンを決める学内戦から、関東大会、その先のチャンピオンシップ(全国大会)をはじめとし、学生による運営理事会も支援しています。
もともとは11年前、大学サッカーを経験した社員と大会運営会社とのご縁で、協賛させていただくことになりました。同好会は大学生活を楽しむ手段のひとつとして、仲間と一緒にスポーツを楽しんでいる方が多いです。それが同好会の良さでもあると思いますので、彼らを支えてあげたいという想いからスタートしました。
■自主的に運営する、大学サッカー
――大学の同好会サッカーの良さのひとつに、学生主体で運営していることが挙げられます。
おっしゃるとおりで、アットホームカップはJFA公認の大会ですが、大会運営、審判、選手登録、大会の広報活動まで、学生が主体となって行っています。我々としても、彼らの自主性や主体性を尊重しながら、バックアップしたいという気持ちでサポートしています。
その経緯があり、大会運営の事務局として、当社の会議室を貸しています。みなさん熱心に、夕方6時から8時頃まで、会の運営について話し合っている姿を見かけます。
――同好会(大学)サッカーの良さを感じるエピソードがありましたら、お聞かせください。
学生さんたちが中心となり、自主的に運営しているところが、非常に良いなと感じます。サッカーをするだけでなく、みんなで食事をしたり、旅行に行ったり、楽しむ場としてのサッカーであり、サークルの良さですよね。
アットホームカップの決勝戦を観戦した、元日本代表の方がおっしゃっていたのですが「同好会とはいえ、自由気ままにやっているわけではないんですね。みんな、サッカーに取り組む姿勢が素晴らしい」と感激していました。
客席に目を向けると、手拍子やメガホンなどを使い、華やかに応援するチームもあったりと、みんなで楽しみながら作り上げている感じがします。そこも良さだと思います。
■生涯スポーツになりつつあるサッカーを支援
――サッカーをサポートすることのメリットは、どのように感じていますか?
現代の動向を見ると、幼少期から学生になるまでのメインスポーツがサッカーになってきているように思います。サッカーに携わる日本の人口は、推計ですが500万人と言われています。そのうち、JFAに選手登録している数は81 万人強です。
生涯スポーツになりつつあるサッカーを支援することで、学生だけでなく、幅広い方々との接点が増えていけばいいなと思っています。
当社の企業理念に「クリーン&フェアの精神のもと、真の適応と独自性の追求」があります。これはスポーツに通じるところがありますし、サークル活動のように、独自性の追求や自立(自律)、仲間を大切にすることなどに通じるのではないかと思います。
当社は2022年12月で創業55周年を迎えましたが、創業者から常々「我々は表舞台で活躍するような会社ではない。縁の下の力持ち的な、インフラを支える企業なんだ」と言っていました。その姿勢は変わらないので「サッカーを支援してあげているんだ」という気持ちはまったくありません。
「僕らは君たちの活動を応援するから、このフィールドの中で一生懸命走り回ってね」という気持ちでサポートさせていただいています。
大学生活を楽しもうとしている人たちを影ながら応援しつつ、大会運営をバックアップできれば本望だと思っています。当社は今後もアットホームカップへの協賛事業を継続し、さらなる大会の価値向上に努めていきたいと思います。