インタビュー
2024年6月28日
「たんぱく質を豊富に提供し、スポーツを通じて、人々の楽しく健やかなくらしに貢献したい」日本ハム株式会社の想い
サッカーを支える企業にスポットを当て、想いを聞く企画。今回は日本ハム株式会社です。同社は1993年より、セレッソ大阪をスポンサードしており選手の栄養サポートなど、様々な面でクラブを支えています。
長きに渡り、セレッソ大阪を支援する日本ハム株式会社はどのような想いでサッカーに携わっているのでしょうか? スポーツ事業推進部の本山伸幸さん、中央研究所 管理栄養士の櫻井郁美さん、広報IR部の仁木悠太さん、に話をうかがいました。(取材・文 鈴木智之)
■牛豚鶏の総合シェアが国内No.1
――日本ハム株式会社の事業内容を教えてください。
ニッポンハムグループは、加工食品や水産加工品、乳製品や食肉の製造・販売を行っている会社です。ハムやソーセージの印象が強いかもしれませんが、私たちは、生きるために必要な栄養素であるたんぱく質を多く含む商品を幅広く展開しています。その結果、国内におけるたんぱく質摂取量の約6%を供給する国内最大級のたんぱく質提供企業となりました。(※日本ハム調べ)
――御社とサッカーとの取り組みについて、セレッソ大阪とのトップパートナーの目的と、これまでの経緯についてお聞かせください。
日本ハムとセレッソ大阪との関わりは1993年にさかのぼります。当時、セレッソ大阪はヤンマーディーゼル株式会社という名称でしたが、その頃に日本ハムが運営に加わりました。
地域振興と青少年の体位向上に役立ちたいという創業者の想いから、当時Jリーグがスタートしブームが起きていたサッカーに注目、日本ハムの本社がある大阪市でプロサッカーチームの支援をすることになりました。
セレッソ大阪のトップパートナーになった主な目的には「地域のスポーツ振興」と「地域経済の発展への寄与」があります。セレッソ大阪やサッカーをサポートすることを通じて、良き企業市民として、食やスポーツなどを介し地域の方々とのつながりを深め、共に歩み、共に発展していくことを目指しています。
■年に2回、冠試合を開催
――セレッソ大阪との取り組みに関して、具体的な事例を教えてください。
年に2回、冠試合のスポンサーをさせていただいています。去年は、ファイターズガールを大阪に招待してスタジアムでパフォーマンスを披露してもらいました。今年は6月15日に国産鶏肉のブランド肉である「桜姫®」のサポーティングマッチがあります。
ほかに、北海道のエスコンフィールドで販売しているシャウエッセンホットドッグをキッチンカーでスタジアムに出店しています。いつもと違う雰囲気と美味しい食べ物で、サポーターの皆さんやお子様連れのファミリーに喜んでもらえたと思います。
また、セレッソ大阪が力を入れているホームタウン活動にも協力させていただいています。昨年は大阪市と堺市で、親子チケットプレゼントの協賛をさせていただきました。今後は、食育教室とサッカー教室を組み合わせた出前授業のようなものを、お子様たちに提供したいと考えています。
■多角的な栄養サポートを実施
――日本ハムの管理栄養士が選手の食事面をサポートしているそうですが、どのような取り組みをしているのでしょうか?
弊社の公認スポーツ栄養士3名と管理栄養士1名が、セレッソ大阪のアカデミーおよびトップチームの栄養サポートを担当しています。
主な取り組みとして、アカデミーの選手や保護者を対象とした栄養講習会を行っています。また、チームが測定している身長、体重、体脂肪率などのデータを基に各年代の目標体組成を設定し、モニタリングを行っています。
ほかに、アカデミーのキャンプや遠征先のメニューを事前に共有を受けて、栄養士が確認・調整を行うことで、選手たちが最適な食事を摂れるようサポートしています。
トップチームでは、寮に住む選手や一人暮らしの選手などそれぞれの環境を考慮しながら、定期的に身体づくりやコンディショニングを目的とした個人指導を実施しています。Jリーグで長く活躍するために必要な食事や現在の食事の改善点などを、選手やフィジカルコーチ、強化スタッフと協議しながら提案し、実践してもらっています。
■サッカーをサポートすることで絆を深める
――サッカーをサポートすることのメリットについて、どのようにお考えでしょうか。
セレッソ大阪をサポートすることで、日本ハムの知名度向上につながるのは確かですが、それだけではありません。私たちはセレッソ大阪のサポートを通じて、ファン・サポーターの方々とより近い距離感で結びつき、愛され、信頼される企業になることを目指しています。これこそが、サッカーチームをサポートする最大のメリットだと考えています。
実際に、応援しているチームのスポンサー企業の商品を選ぶというファン・サポーターの方々の行動はよく見られます。特に、私たちニッポンハムグループは食品を扱っているため、スーパーやコンビニでの商品選択の際に、セレッソ大阪のスポンサーであることが決め手になるケースもあるかと思います。
このようにサッカーチームをサポートすることは、企業とファン・サポーターの方々との絆を深め、ブランドイメージの向上につながります。私たちは、セレッソ大阪とともに歩みながら、地域に根ざした愛される企業を目指しています。
■人々の元気を応援し続けたい
――サカイクは、サッカーをする子どもたちと保護者向けの媒体ですが、今後、子どもたちのサッカーに携わるビジョンがありましたら、お聞かせください。
私たちの企業理念の一つに「食べる喜び」を掲げており、食べる喜びとは「おいしさの感動と健康の喜び」を提供することとしております。今後は、食育活動やサッカー教室などを通じて子どもたちが食の大切さを学び、サッカーを楽しく続けられるよう、様々な形でサポートしていきたいです。
ニッポンハムグループの創業者である大社義規は、「食とスポーツの両事業を通じて、国民の健康と体位向上に、及ばずながら全力投球したい」という思いを抱いていました。
私たちは皆様にたんぱく質を含む様々な食品をご提供していますが、スポーツの機会を提供することも健康な体づくりに重要な役割を果たすと考えています。
創業者の思いを受け継ぎ、食とスポーツの両面からアプローチすることで、皆様の健やかな生活に貢献できればと考えています。これからもたんぱく質を豊富に提供し、スポーツを通じて人々の元気を応援し続けたいです。