サッカー豆知識
2010年12月27日
【第8回】「知ってます?世界のサッカー常識」- 極める道はサッカーひとつにあらず
■「極める道はサッカーひとつにあらず」という常識
このコーナーでは毎回、知っていそうでいなかった世界のサッカー事情について、ランダムにとりあげます。世界各国で様々に楽しまれているサッカーというスポーツの奥深さを感じるような話題、子どもとの会話のネタになるような話題を数多くセレクトして紹介します。
サッカーで世界の頂点に立つスーパースター達。でも、彼らのなかにはサッカーだけでなく他の分野においてもたぐい稀な才能を発揮する選手が多く存在します。
ユニークな例のまず始めは、かつて82年のワールドカップにおいて、ジーコらと共に「黄金のカルテット」を形成した名選手、ブラジルのソクラテス。青年の頃は医師を目指していたというソクラテスは、医学の道を突き進もうと大学へ進学。その大学在籍中にプロサッカークラブからオファーを受け、名選手の道を歩み始めました。ところが、プロ生活と同時に医学部へも通い続け、ついには選手としてプレーしながら医師免許を取得してしまうのです。
世界を驚かせたソクラテスの独創的なプレーの特徴はズバリ、頭脳プレー。敵の予想出来ないパスを出したり、冷静な判断によって状況を打開したりと、その知性が個性的なプレーの大きな原動力となっていたのです。プロ生活を終えた後には、本来の目標であった医師として開業。全くの別世界で活躍を続けているのです。
そしてもう一人の変わり種は、イタリアのジャンニ・リベラ。イタリアのサッカー史上で最高の頭脳とも称された名選手。名門のACミランで数々の栄光を手にした選手です。リベラは引退後、ミランのフロントへと入りました。その知性を武器に、クラブ運営においても才能を開花させていきます。そしてその後は、なんとイタリア議会の議員に。サッカー選手が政治家へと転身する珍しいケースとなりました。議会でもサッカーの世界と同様、人望も熱く、数々の功績を残したリベラ。まさに文武両道のお手本となるべき存在だと言えるでしょう。
彼らのように、サッカー選手を引退後も華麗な活躍を続ける選手は数多く存在します。共通するのは、選手の時代にも様々な事柄に興味を持ち、探求や努力を怠らなかったこと。ひとつの道を突き進むのももちろん美しいことですが、人間の能力は時に自らが想像する以上の成果を生むことさえあります。特に幼少時代、少年時代には、多くの事象に興味を持ち、多面的な物の見方を育むことが大切です。サッカーに全力を注ぎながらでも、その他の様々な道が開けることもあるのです