サッカー豆知識
2011年6月 9日
8人制サッカーを学ぼう【第5回】-フォーメーション
■2-3-2と3-3-1
2-3-2を採用し、最終ラインが2人となると、ピンチを迎える回数が増え、失点につながるケースも増加します。そのことから、よりリスクの少ない3-3-1のフォーメーションで戦うことが主流になっているようです。ピッチの横幅に3人を並べると、無理なくスペースを埋めることができます。相手のFWが2人または1人でも、最終ラインにDFが3人いれば、数的優位の状態で守ることができます。試合に勝つため、強い相手に勝つために、失点のリスクを減らす。そのために、最終ラインに人数をかけて守ることは、理に叶っています。
しかし、8人制を導入するための理由「個を伸ばす」ことから考えると、最終ラインに選手を余らせてプレーするよりも、1対1の状況でボールを奪えば有利、抜かれれば失点につながるという、シビアな状況でプレーさせることが大切だという意見もあります。
これはどちらがいい、悪いではなく、考え方の問題です。8人制(小学生)のうちから、『数的優位を作って守らせる』という考え方もあり、『個を伸ばすために、数的優位はなるべく作らず、個人の能力で勝負させる』という考え方もあります。
子供たちの成長を願い、日々指導している指導者には、考え方がいろいろとあるもの。大切なのは、それを保護者が理解すること、理解する姿勢を示すことだと思います。勝った、負けたという結果だけを見て意見をいったり、良し悪しを決めることは、お互いにとっていいことではありません。また、指導者と保護者のあいだで板挟みになる、子供たちにとってもプラスとはいえないもの。
その意味でも8人制の導入は、指導者や保護者のU-12年代に対する考え方を改めて見直す、いい機会になるといえるのではないでしょうか。
取材・文/鈴木智之
写真/木鋪虎雄『チビリンピック2011決勝』より