サッカー豆知識
2011年7月 2日
8人制サッカーを学ぼう【最終回】-8人制導入の意味とは!?
一つひとつのプレーに対する責任が重くなり、「自分が抜かれたらシュートを打たれてしまう」「ここで相手をひとりかわせばシュートチャンスだ」という、ゴールに直結する厳しい状況での実戦経験を積むことで、選手が成長するヒントを得る機会も多くなります。また、自陣のペナルティエリアから敵陣のペナルティエリアまで、攻守にわたってプレーする必要性が増すので、「チャンスを感じる力/リスクを冒す勇気」の重要さに気づく機会も頻繁に訪れるでしょう。
その意味では、これまで多かった「練習で身につけて、試合で発表する」という考えから脱却し、試合を通じて学ぶ、試合を通じて技術や判断力を身につけていくという、サッカーというスポーツの原点に立ち返る、きっかけになるといえるのではないでしょうか。
ここまでは、8人制を導入する意味、メリットについて紹介してきましたが、現状はまだまだ改善・発展の余地があるようです。たとえば、試合をするグラウンド確保の問題、大会に複数チームが登録できるとはいえ、引率の指導者が不足している問題など......。
新しい取り組みをするときは、初めからうまくいくとは限らないもの。指導者、クラブに関わる保護者の方々など、子供たちの成長・発展を願っていると思います。子どもたちのために、8人制を導入する意図を理解して、「プレイヤーズ・ファースト」の気持ちで関わっていくことが、子供たちにとって、よりよいサッカー環境が実現する第一歩になるといえるでしょう。
取材・文/鈴木智之
写真/木鋪虎雄『チビリンピック2011決勝』より