サッカー豆知識
2017年11月 7日
トレセンが全てじゃない! サッカー選手として成長するために、いま大事にしてほしいこと
■子どもたちに望むのは「凡事徹底」
小学生年代の子どもたちに大切なことは「凡事徹底」と須藤さんは言います。
凡事徹底とは、当たり前のことを当たり前にできるようにすること。例えば時間を守る、用具は大切にする、自分の荷物は自分で管理するなど、プレー以外のことも含まれます。そしてこれは「トレセンの間だけではなく、チームでも同じ」と続けます。「凡事徹底」をすることで、忍耐強くもなるのでは、とその意図を教えてくれました。
家でもチームでも言われていることであっても中々素直に受け入れられなかったのに、憧れのトレセンの場でコーチから言われると聞けるようになる子もいるそう。こういったエピソードは、とても子どもらしく、納得のお話しです。
自分の子どもの将来を考えた時、トレセンに選ばれる選手になってほしい、そういう選手でいてほしいという思う親御さんもいらっしゃるのは自然なことだと思います。
けれど、トレセンがすべてではありません。選ばれること、または選ばれなかったことに一々喜んだり失望することはないのです。U-12で選ばれなくても、その後の努力によって上の年代で声がかかることもありますから。
それに、トレセンに選ばれ続けたからと言ってプロになれるのはほんの一握り。
何よりも大切なのは「当たり前のことを徹底して行う事」、サッカーを楽しみ、努力を惜しまないこと、そして子どもが人間として成長することではないでしょうか。
親ができるのはそんな子どもを見守ることです。
須藤茂光(すどう・しげみつ)
日本サッカー協会ユース育成ダイレクターおよびユース育成部会長。
元サッカー選手。現役時代のポジションはDFで、日本代表として国際Aマッチ13試合に出場。引退後はアンダーカテゴリーの日本代表監督や、Jリーグ、柏レイソルのコーチ、日本サッカー協会のナショナルトレセンコーチなどを務める。2014年、指導医者養成のサブダイレクター兼関東地域のトレセン担当となり、2016年より現職。