サッカー豆知識

2017年12月15日

大好きなサッカーを通しての学習だから自然に覚える! 親子で遊びながら世界を学ぼう

「サッカーに夢中なのはいいことだけど、勉強に身が入らない息子の将来が心配だ。どうすればいいの?」

そのような悩みを抱えるサッカー少年少女のお父さんお母さんは、少なくないのではないでしょうか? わが子を前向きに、勉強に取り組んでくれるようにすることはなかなか難しいことです。「やりなさい」と強制的に机に向かわせてもいい成果には繋がりにくく、ご褒美をぶらさげてモチベーションを上げるのも主体性を持って学ぶ姿勢が身につくとはいえないですよね。

そこでサカイク読者のみなさんにオススメしたいのが、今回紹介する『サッカー世界図鑑 ロシアW杯編』『サッカー世界図鑑かるた』です。

子どもたちが大好きなサッカーを通して文化や歴史を楽しく学べるこの商品の発行元であり、サッカー新聞『エル・ゴラッソ』を刊行している株式会社スクワッドの山田泰社長と寺嶋朋也編集長に制作の裏話をお伺いしました。

(取材・文:出川啓太、写真:サカイク編集部、新井賢一)

■好きで覚えたことは忘れない

親ならば、子どもがサッカーと同じように勉強も好きになって、自らの意思で取り組んでくれることを望むものです。ところが、子どもはなかなか親の思う通りには動いてくれませんよね。

そこで「なんで勉強しなさいって言ったのにやらないんだ」と叱りたくなる気持ちはわかりますが、みなさんが子どもだった頃を振り返ってみましょう。あなたは、親に「勉強しなさい」と言われた後、前向きに勉強に取り組めましたか?

『サッカー世界図鑑』『サッカー世界図鑑かるた』を制作したサッカー専門新聞『ELGOLAZO』の寺嶋編集長は、過去の取材を振り返りながら「子どもには、まずは好きなものに熱中してもらいたい」と語ります。

「2年前に初めて『サッカー世界図鑑』を発行しました。完成したものを中村憲剛選手に見てもらったところ、"自分が好きで取り組んで身に付いたものは大人になっても残っている"と話してくれました。サッカーが好きで練習した技術は大人になっても残るし、好きなものに熱中して自然と学んだことは大人になっても忘れないと言うのです。まさにこの図鑑のコンセプトだと思いました」

2年前に発行した『サッカー世界図鑑』は発売開始直後から大変好評で、多くの子どもたちが手に取り、夏休みの自由研究などにも活用されています。

現在大宮アルディージャの監督を務める石井正忠さんもこの図鑑を高く評価しています。石監督は鹿島アントラーズを指揮していた当時この本を知り、「子どもたちがサッカーに興味を持つきっかけに最適」と、ご自身で購入し、鹿嶋市周辺の小学校に配布して回ったのだそうです。

「アントラーズ石井監督来校」
鹿島小学校 学習・学校行事のブログ(外部リンク)

「鹿島アントラーズ 石井 正忠監督が来校されました!」
波崎西小学校のホームページ(外部リンク)

先ほどの中村選手の発言はみなさんも身に覚えはありませんか? 私たち親の役割は、机に向かわせることではなく、まず勉強を好きにしてあげることなのです。

では、どうすれば子どもたちが好きなものに熱中しながら自然と知識を身につけていってくれるのでしょうか? 寺嶋編集長は、義理の父と4歳になるお子さんがオセロで遊んでいる姿にヒントを得ました。

「今は、タブレットでいろいろな学習アプリに触れることができます。それはそれで、子どももすごく楽しんでいていいと思うのですが、親と子ども、おじいちゃんやおばあちゃんと子どもが一緒になって楽しみながら、なおかつ自然と知識が身につくようなツールがあったらおもしろいと思いました。そこに大好きなサッカー選手が載っていたら、子どもは楽しいだろうなと」

そうして作られたのが『サッカー世界図鑑かるた』です。かるたの取り札を見ると、オモテ面にはその国のサッカーの写真が、ウラ面にはその国の歴史や文化の美しい写真と簡潔な説明が掲載されており、サッカーをきっかけにその国の歴史や文化を知ることができるつくりになっています。

「取り札がオモテとウラで、その国のサッカーの特徴と、文化や歴史に別れているのが、このかるたの最大の特徴です。取り札を全部をオモテ、あるいは全部をウラにしたり、オモテとウラを混ぜたりと、いろいろなパターンで楽しめます」

この『サッカー世界図鑑かるた』には、折りたたみ式のサッカー"ミニ"世界図鑑が同梱されており、かるたで興味を持った国について、歴史や特産物などさらに詳しく知ることができます。ミニ図鑑の裏面にはW杯予選の地域別に色分けした世界地図が掲載されていて、自分が取った絵札の国がどこにあるかもその場で知ることが出来ます。

■スーパースターから読み解くと世界の歴史はおもしろい

寺嶋編集長は、子どもの頃の原体験をこう振り返ります。

「ぼくも昔はサッカー雑誌をよく読んでいて、世界各国のリーグの結果ページをすごく楽しみにしていました。サッカーチームには都市の名前が付いていて、自然とその名前や位置を覚えていたんですよね。勉強しようという気持ちはまったくなかったけれど、自然と頭に残っています」

好きなサッカーチームがどのような国で、好きな選手がどのような環境で育ったのか、サッカー少年少女ならば気になるものです。子どもがそういった興味を持ってくれたときこそチャンスです。そっと『サッカー世界図鑑』を手渡してあげましょう。

「かるたに書かれているサッカーの特徴や歴史が、図鑑ではより詳しく知ることができます。サッカーをきっかけにして、世界の国々を知ってもらう上で、子どもたちにより興味を持ってもらうために、その国ごとにテーマとストーリーを作るところを工夫しました」

例えばアルゼンチンのページでは、はじめにメッシ(FCバルセロナ)の背景にパンパという大草原が広がるビジュアルが展開されます。

「メッシを好きになった子どもが、メッシはどんな国で育ったんだろうとアルゼンチンに興味を持ちます。そうして図鑑を見てみると、アルゼンチンは豊かな大草原が広がる地域にある国で、かつてヨーロッパの人々がこの豊かな土地に仕事を求めて移住してきたという歴史があり、現在は白人が人口の多くを占める国になっているということがわかるように工夫しています。『ああ、だからアルゼンチンの選手はみんな白人なんだ』と理解すると、『じゃあ、なんで隣のブラジルにはいろいろな人種の人たちがいるんだろう』と、また新たな興味が生まれてきますよね」

また、メッシなどの現在の代表選手とともに、マラドーナなど昔懐かしい選手が紹介されているのも特徴です。

図鑑を親子で見て、子どもだけじゃなくてお父さんも一緒に夢中になるような内容にしたかったんです。図鑑を見た子どもに、『お父さんは昔この選手が好きだったんだ』と話してあげてほしいですね。メッシとマラドーナはどちらがすごいのか、親子で盛り上がってもらえるとうれしいです」

2年前に発行したサッカー世界図鑑から、今回はページ数も増え、その国の人口やどんな言葉を話しているのか、どんなものが特産物なのかといった情報が網羅されていて、資料性も高まっています。

「図鑑にその国の情報をすべて詰め込めているわけではありません。これを読んだ子どもが、どういうことなのか親に質問したり、逆に親のわたしたちが気づかないようなことに子どもたちが気づくこともあると思います。そこで親子で一緒に調べて、それが自由研究につながったりするのかなといいですよね」

(制作で工夫した点をお話しいただいた寺嶋編集長。今回はイタリアがプレーオフで敗退してしまい、イタリアのページがお蔵入りになってしまったそうです)

サッカーを通して子どもに興味や関心を抱いてもらい、親子でコミュニケーションを取りながら一緒に学んでいく。サッカーのチームメイトや学校のお友だちとも楽しみながら地理や世界の文化、歴史といった知識を身につけるきっかけとなる『サッカー世界図鑑 ロシアW杯編』『サッカー世界図鑑かるた』でお子さんの知的好奇心を高めてあげませんか。


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