サッカー豆知識
2018年6月14日
ボールがあることは当たり前じゃない。何万人もの思いを超えて、あなたの手元にボールが届く
■ボールは友達 長く付き合うためのお手入れ法とは
翼くんが教えてくれるのは、ボールを肌身離さずに持っているということではなく、「物を大切に扱う」ということなのかもしれません。例えば、皆さんは泥だらけのボールを抱えてベッドで一緒に寝れますか?
「日本には土のグラウンドも多いので、印刷の文字がかすれてしまうのは仕方がないことですが、泥や濡れたボールをそのままにしておくと、パフォーマンスにも影響してしまいます。カバンにそのまま入れておくのではなく、汚れたら濡れた雑巾で吹いて、風通しの良い日陰で乾かしておくこともケアの一つです。バルブも傷つきやすいので、差し口は砂などをよく拭き取ってから、針を指す時には潤滑剤を使ったり、濡らしたりして入れてあげることもエア漏れを防ぐことにつながります」
そういった日頃の手入れが、一つのボールを長く大切に使うためには必要なことでしょう。
「私たちは日々、ボールの進化を目指しています。だからこそ、皆さんにピッチでボールを蹴ってもらうことは、製作の最終の工程でもあり、最初の工程でもあります。大切に使ってもらいたいと思って作ったものを届けて、私たちはそこでまた皆さんがサッカーボールを蹴っている姿を見ています」
子どもたちが蹴るボールが、次のボールを生み出していくきっかけとなるのです。サッカーができることも、そこにボールがあることも、実は当たり前ではないのかもしれません。
ぜひ今日から、ボールを作っている人の姿やその思いをイメージしながら、足元のサッカーボールに触れてみてください。
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株式会社モルテン
1958年ゴム製造業として設立。サッカーボール、バスケットボール、ハンドボール、バレーボールなど競技用ボールのトップメーカー。ほかにも医療・福祉機器、自動車部品など、広範囲な分野のゴム・樹脂製品を製造。
2019年1月に開催されるAFCアジアカップや、2018-19シーズンのUEFAヨーロッパリーグで唯一の公式球試合として採用されるなど、世界中で使用されている。