サッカー豆知識
2018年7月 4日
NEXTラーム、アラバを生み出すために。リーグ6連覇のバイエルンが本気で取り組む「育成プロジェクト」で育てるスキルとは
■本腰を入れたバイエルンが目指す育成プロジェクトの内容
(写真は少年サッカーのイメージです)
こうした動きが結び合い、バイエルンの育成現場でもようやく本腰を入れたプロジェクトが始まろうとしています。2月にバイエルンU‐15のテストマッチを視察した際に、U‐15チームの監督で、U‐15までのカテゴリーの統括部長を務めるペーター・ベニンガー氏に話を聞く機会があり、選手をどのように育てようとしているかのビジョンの一つを語ってもらいました。
「例えばCBとしての素質があり、育成しようとしている選手がいるとする。ただ試合では時にボランチ、時にインサイドハーフとしてもプレーさせて、判断力、視野、エリア・状況における戦術理解を身につけられるようにしているんだ。一つ一つの要素を切り分けて、個別トレーニングといて取り組むのではなく、試合環境の中で学べるようにしている。そうすることで彼が成長した時に多くの経験を貯蓄することができるからだ」
自分のカテゴリーで勝つかどうかではなく、その選手がどのように育つのかに目を向けているのだそうです。
どんな選手が必要で、どんな指導者が求められるべきか。今正しいと思うことが来年もそうである保証はないからです。常にバージョンアップしていこうという謙虚な気持ちと向上心と危機感がなければ、継続してうまくはいかないということです。
時間はもう少しかかるかもしれません。ですが、ようやく本気になったバイエルンの育成がどのような結果をもたらすのか。
そういった視点でビッククラブの育成に目を向けるのも興味深いのではないでしょうか。