サッカー豆知識
2018年10月11日
「何を言っても反応が薄い!」「うちの子やる気が見えにくい」というお父さんお母さん必見! 子どものタイプ別やる気スイッチの押し方
サッカーをしているわが子のいいサポーターでいたいけど、どんな声をかけたらいいの?
子どものやる気をアップさせようとポジティブな言葉をかけてみたけど反応が薄い。じゃあ逆にと思ってどうして出来なかったのかしつもんしてみても同じような反応。子どもの本心がわかりません。といったリアルな声を聞くことがあります。
みなさんも「押しても引いてもダメ、子どものやる気スイッチがわからない」「やる気があるんだか無いんだか。何を言っても反応がなくて。子どもの気持ちがわからない」と、どう子どもに接したらいいんだろうと感じていませんか?
兄弟のいる家庭では「上の子と下の子、同じように育てているのに反応が違う」と思っている人も多いのでは。お兄ちゃんへの声かけと弟への声かけ。同じでいいのか、変えたほうがいいのか。
そんな疑問をもとに『子どものコーチング もう怒らない子育て』の著者である若松亜紀さんにお話しを聞きました。子どもの特性をつかむと、イライラすることが無くなり、それぞれのやる気に火をつけるのも簡単に。今以上に子育てが楽しくなりますよ。(構成:前田陽子、文:若松亜紀)
同じ言葉をかけても子どものタイプによって響き方がちがうのです。(写真は過去のサカイクキャンプです)
■基本的なタイプは4つ
サカイク読者からの質問
小4と小2の兄弟がサッカーをしています。 長男はコーチの言うことに真面目に取り組んで、少しずつですがサッカーも上達してきています。が、次男は飽きてしまうようですぐに投げ出してしまいます。そしてできない、上手にならないとかんしゃくを起こします。どうしたらいいですか?
「同じお腹から生まれたのに全然違う!」「同じように叱っても1人はズドーンとへこみ、1人はけろっとしている」。そんなふうに感じること、ありますよね。
その感覚、合っています。違いがあるから、同じ「任せた!」という言葉で、1人はヨッシャ!と燃えるのに、もう1人はプレッシャーで萎縮したりするのです。
これはコーチングに基づいた「タイプ分け」で考えるとわかりやすいです。
タイプ分けは「人を特徴づけるのは他者とのコミュニケーションの取り方=コミュニケーションスタイルである」との考えに基づき導き出された相手との関わり方です。表情がよく変わるか否か、感情表現が多いか少ないか、大人数を好むか少人数か、それら諸々がコミュニケーションスタイルです。
相手を知ると、どう話したら伝わるか、どうすれば良さを引き出せるのかがわかってきます。
これを子育てやスポーツの指導に活かすと、がぜん相手の理解度が増したり、モチベーションを上げたりするのに有効です。
コーチングのタイプ分けはビジネス向けに書かれているものが多いのですが、「タイプ別 子どものコーチング もう怒らない子育て」では個性が表れやすい「自己主張」と「感情表現」をピックアップして子ども向けにしています。
タイプは4つです。
のちほど見分け方をご紹介しますが、特徴だけ見ても「うちの子コレかも」と察しが付く方もいるのではないでしょうか。
4つのタイプ
★ちゃっかりさん(プロモーター)
注目されるのが大好き。元気で明るい。次から次へと興味の対象が変わる。
★ほっこりさん(サポーター)
優しい子。何よりも大事なのは「チームワーク」。気配り・目配り・聞き上手。
★じっくりさん(アナライザー)
研究熱心。物事やチームメイトをよく観察する。冷静沈着、きまじめ・慎重。
★がっちりさん(コントローラー)
指図が嫌い、自分で決めてやりたい子。「アニキ」「あねご」的な頼れる存在。
いかがです? お子さんはどのタイプが強そうですか。
■金足農業ナインのタイプは...
この夏、甲子園をわかせた秋田県の金足農業高校を覚えていますか。息子が同校の3年生です。陸上部ですが(笑)。
彼ら野球部にもタイプの特徴がよく現れていました。
横浜戦で高校初のホームランを放った高橋佑輔君。2点を追う8回、1死1、2塁。優勝候補を相手に一打逆転がかかる緊張の場面でした。背中をバチン! 気合を注入された直後のフルスイングが、バックスクリーンに飛び込む大アーチとなりました。
重圧にも強気で立ち向かう、それは「がっちりさん」です。
近江戦での歴史に残るツーランスクイズ。芸術的なバントを決めた斎藤璃玖君。彼は普段の打撃練習もバントが8割。地味なことがこつこつできる職人気質は「じっくりさん」の持ち味です。「自分からぐいぐいいく子ではない」とのお母さんの言葉がそれを裏付けています。
ぐいぐいいくのは「ちゃっかりさん」です。伝令に行ってずっこけたり、円陣の間を通り越して笑いを取っていた子がまさしくそれ。他のタイプに「一発笑わせてこい」と言ってもやりません。と言うか、できません。
先のご質問の弟君は、おそらくこの「ちゃっかりさん」でしょう。この子の生きる源泉は「楽しさ」です。自主練でもここを押さえ、目先を変える、練習におもしろネーミングをつけるなどしてください。例えば「ボールサンドイッチ」「ドリブル鬼ごっこ」「もしかめリフティング」なんていかがでしょう。
人が好きなので、「やってこい」より「一緒にやろう」もポイントです。
ではいよいよ、お子さんのタイプを探ってみましょう。