サッカー豆知識
2018年11月 9日
【結果発表】みなさんの周りのパワハラ・暴言エピソード2018
アメフト、レスリング、体操、ボクシング、バレーボール......
今年は特にスポーツ界での「パワハラ」がたくさん報道され、旧態依然とした指導者の存在や今後の指導の在り方について考えさせられることが多かったですよね。
サッカー界ではどうなのか。読者のみなさんも気になっていることでしょう。
ということでサカイクでもアンケートを実施したところ、実にたくさんの回答をいただきました。お子さんに関わることなので熱のこもった回答が多かったですね。
サッカー界では早くから協会が「リスペクト」精神を啓蒙しており、サカイクでも連載をしている池上正さんの考えに賛同する良い指導者が増えつつあることは、これまでの取材で実感しています。子どもたちの未来を見据えた指導に取り組んでいる全国の指導者のみなさんをサカイクは応援しています。
それでもアンケートを見ると、まだまだ頭ごなしに指示する指導者や暴言、罰走なども行われている現状があるようです。
子どもたちの未来のために、厳しい中でも楽しんでサッカーが上手くなるために、大人が何をしたらいいか、それぞれが考えるきっかけにしていただけると幸いです。
アンケート結果
子どもの学年
小学5~6年生:57%
小学3~4年生:30%
パワハラ・暴言をする指導者がいる(いた)クラブ
スポーツ少年団:58%
街クラブ:34%
■唖然!「ああ見えていいコーチだったよ」
今年報道されたスポーツ界のパワハラ指導の中でも大きなインパクトを持って伝えられた、体操コーチの叩く指導。そしてそんな指導を受け続けてきた選手の「コーチと引き離されるのが怖かった」という主張には驚いた方も多かったのではないでしょうか。
恐怖による指導を受けてきた選手自身が「自分のことを思ってくれての指導」「叩いた後は優しく接してくれる。いいコーチだ」といった趣旨の発言をしており、保護者もそんな指導をしてくれるコーチを擁護したことは、サカイクの理念をご理解いただいている保護者のみなさんには衝撃だったことと思います。
しかし、サッカー界でも対岸の火事では済まされないことです。今回のアンケートでも、にも「何年も前のこと」ではありますが、このようなことがあったと回答がありました。
小学生の時の話ですが、対戦相手のチームがずっと怒鳴っていて自分たちもビクビクしながら試合をしていました。ハーフタイム中は全員軍隊のようにビシッと立たされて、監督の説教を受けていて、頭に血が上った監督が選手の頭をペットボトルのふたの部分でバシバシ叩いていました。選手たちは後ずさりしてセンターサークル付近まで下がっていったのですが、そのコーチはずっと叩き続けていて、自分は恐怖を覚えました。
その後何年かたって、たまたまそのチームに所属していた選手と知り合って当時の話を聞いたら唖然。『ああ見えてあのコーチ、良い人なんだよ。自分たちはあの指導でメンタルが鍛えられた』と言うのです。 渦中にいると感覚がマヒするのでしょうね。
度を過ぎた厳しい指導でも、結果が出ていると「コーチは厳しいけど、自分たちの為なんだ」と思いこんでしまい、それが当たり前になってしまうのです。
今回のアンケートでは、コーチと話し合いの場を設けたなど大人たちが行動を起こした報告もありましたが、「言えない」「我慢している」と言う声も多いですね。わが子が試合に出られなくなったり、地域によっては移籍先となる受け皿がない等の事情もあることと思いますが、お子さんが明らかに楽しんでない、身体に何か症状が出始めているなどサインに気づいたら、大人が守ってあげてほしいものです。
■「やる気がない子がいた」わざわざSNSに上げる必要ある!?
続いては、ネットが普及した現代の「あるある」エピソードです。
試合中の暴言がひどい。「バカやろう!」「ふざけんな!」「下手なやつはサッカー辞めろ!」「いう通りにできないなんて家畜以下じゃないか!」とひどい言葉で怒鳴りっぱなし。子どもたちはミスをすると交代させられ、炎天下で30分以上も罰走。
負けると1時間以上説教、そしてSNSに「やる気がない子がいた」「あんなふざけた態度でで勝とうなんてバカか」など悪口を書かれることも。
子どもたちも反省する点はあるかもしれませんが、わざわざ不特定多数の人の目に触れるネットへ悪口を書く必要があるのでしょうか。コーチもたまった気持ちを吐き出す場所は必要だとは思いますが、ご友人などに愚痴を言う程度で収めてほしいです......。
保護者が何度もやんわり意見を述べており、最近は以前ほど酷い表現は減ってきたように思います。
試合で勝てなかった、やる気の見えない子がいた等、コーチもイライラしてしまうこともあるかもしれませんが、悪口をSNSにアップするのは褒められたことではありませんね。その投稿を目にした保護者、または選手本人が知ってしまったら傷つくことを考えてほしいものです。
いくら正論でも正面切って指摘されると「いや、そんなことないし」と意見を素直に聞き入れられないこともあるので、保護者のみなさんが「やんわり」伝えたやり方も良かったのでしょうね。
さいごに、今回非常に多くの回答をいただいたエピソードをご紹介します。
今春に起きた大学アメフト部のパワハラ指導を思わせるアレです。