サッカー豆知識
2021年6月14日
サッカーにおけるゲーゲンプレスとは? クロップでもおなじみの戦術の概要を解説
サッカー中継や雑誌などで「ゲーゲンプレス」という言葉を聞いた・見たという人は多いのではないでしょうか。リヴァプールのクロップ監督の戦術というイメージを持っている人や、日向坂46の影山優佳さんのキャッチフレーズで覚えている人もいるでしょう。この記事ではゲーゲンプレスの意味について解説します。また、具体的な種類についても取り上げているため、ぜひ参考にしてみてください。
ゲーゲンプレスとは
ゲーゲンプレスとは、相手にボールを奪われた瞬間にプレスをかけボールを奪い攻撃に転じる戦術のことです。ゲーゲンプレスと聞くとハイプレスをイメージする人もいるかもしれませんが、両者は完全に異なるものです。
ゲーゲンプレスは、ボールを奪われることを前提としたうえで、奪われた後のプレッシャーの掛け方を戦術に落とし込まれています。詳しくは後述しますが、ゲーゲンプレスにも種類があり、種類によってプレスのかけ方も異なる点が特徴です。
ゲーゲンプレスの「ゲーゲン」とは「反対」「対立」といった意味を持つドイツ語です。そのため、ゲーゲンプレスは相手がかけてくるプレスに対応するための「対プレス」だと考えられるでしょう。
ゲーゲンプレスの種類
ゲーゲンプレスと一言でいっても、その種類は大きく分けて3つあります。ここでは具体的な種類について、それぞれの概要を解説します。
マンマーク型
マンマーク型は、マンマークで相手につきボール奪取を狙うゲーゲンプレスです。
こちらのタイプでは、ボールを奪われた直後にボールの近くにいる選手が相手のボールホルダーにプレッシャーをかけます。それと同時に他の選手はマンマークにつき、プレッシャーを回避しようと相手がパスを出したところでボールを奪い返し攻撃に転じます。
マンマーク型は他のゲーゲンプレスよりもリスクが小さいという特徴を持ちますが、マンマークとなるため、1人でもマークを剥がされてしまうと成立しません。
ハイプレッシャー型
ハイプレッシャー型は、ボールを奪われた直後に、ボールホルダーの近くにいる選手が多方面からプレッシャーをかけボールを奪うゲーゲンプレスです。
ボールホルダーは相手に囲まれ余裕がなくなるため、ボールが奪いやすくなります。ただし、プレッシャーをかける際はマークを捨てた状態となるため、万が一そこにパスを出されてしまうとピンチを招くことになります。
ちなみに、ドルトムントやリバプールなどで数々のタイトルを獲得したユルゲン・クロップ監督が取り入れているのはこのタイプとされています。
パスカット型
パスカット型は、ボールホルダーからボールを奪うのではなく、パスカットによってボールを奪うゲーゲンプレスです。
こちらのタイプでは、選手はボールを奪われたらプレッシャーをかけるのではなく、相手のパスコースを限定させます。相手は空いているパスコースにパスを出すため、そこにパスが出た瞬間にボールを奪取します。パスを自分たちの意図したところに出すようにおびきよせる点がこのタイプの特徴です。
このタイプは激しいプレッシャーではなく、ポジショニングによってボールを奪うため、体力の消耗は抑えられます。一方で、ポジショニングを間違えると成立しないため注意しなければいけません。
ゲーゲンプレスは戦術理解が必須
ここまでゲーゲンプレスの概要と種類について解説しましたが、ゲーゲンプレスは単体で行うものではなく、チームで行うものであるため、チーム全体での連動が欠かせません。
そして、チームが連動するには、選手一人一人が戦術を理解している必要があります。
特に試合中は目まぐるしく状況が変化していくため、状況に応じた適切な判断をしながらゲーゲンプレスを発動させることになります。
まとめ
今回は、ゲーゲンプレスの概要と種類について解説しました。ゲーゲンプレスはボールを奪われた後にボールを奪い返す対プレスの戦術です。種類によってプレッシャーのかけ方は異なりますが、いずれの場合も高度な戦術理解が求められます。そのため、チームで導入する場合などは、全員がしっかりと理解できていることが重要です。