こころ

2011年2月13日

【第9回】子どものメンタル、親のメンタル - リラックスするための方法

■すぐに効果が現れるリラックス法「深呼吸」

このコーナー第9回目は、講師のメンタルトレーニング・コンサルタント、大儀見浩介さんに「リラックスするための方法」についてお話をお聞きしていきます。

大切な試合の前――。緊張している子どもに、なんと声をかけますか? おそらく、多くの人が「リラックス」や「力を抜いて」と、優しく声をかけると思います。では、どうすればリラックスすることができるのでしょうか?

方法のひとつに、深呼吸があります。深呼吸はどこでも手軽にできるので、おすすめのリラックス法です。それでは、実際にやってみましょう。深呼吸をしてみてください。

・・・さて、深呼吸をした人の多くが、最初に鼻から息を大きく吸ったと思います。実はそのやり方は、正しい方法ではないのです。正しい深呼吸のやり方は、次のようなものです。

  1. 口から息をスーっと、細く長く吐く
  2. 鼻からゆっくり、大きく息を吸い込む
  3. 口から細く長く、息を吸う時の3倍の時間をかけて吐き出す


それでは、正しい方法でやってみてください。気持ちが落ち着いた感じがしませんか? 深呼吸にはリラックスのほかに、次のような効果があります。

  • 集中力が高まる
  • 気持ちが切り替わる


深呼吸をするときは、胸を張り、顔を上げて行ってください。下を向くと胸郭が圧迫され、呼吸が浅くなってしまいますからね。

深呼吸は簡単にできて、すぐに効果が現れるリラックス法です。緊張して、体に力が入っているときに深呼吸をすると、気持ちがスーっと落ち着いていきます。試合前やPKを蹴るときなど、緊張を感じ取ったときにやってみると良いと思います。親御さんは子どもの姿を見て、「緊張しているな」と思ったら、「深呼吸しよう」と声をかけてあげてください。

深呼吸はリラックスだけでなく、気持ちを切り替える方法としても効果的です。たとえば、試合中。集中が続かなくなったときには、どこか一点を見つめて深呼吸をします。これは「フォーカルポイント」という心理的なテクニックで、「ある一点を見て深呼吸をすることで、気持ちが切り替わり、集中が高まる場所」のことを言います。

フォーカルポイントは、遠くに見える静止物ならなんでもOK。普段の練習からフォーカルポイントを意識して、リラックスや集中のトレーニングをするよう、声をかけてみるのも良いと思います。

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