こころ
2011年2月20日
【第10回】子どものメンタル、親のメンタル - 上手くほめる技術とは
■子どもがミスをしたら「サンドウィッチ・テクニック」で対応
このコーナー第10回目は、講師のメンタルトレーニング・コンサルタント、大儀見浩介さんに「誉め方のテクニック」についてお話をお聞きしていきます。
子どもの気持ちを乗せ、やる気をアップさせる。そのために効果的なのが、『誉める』ことです。第4回でもお伝えしましたが、子どもの努力やチャレンジを誉めることで肯定し、「もっとうまくなりたい」という気持ちに火をつけることができたら、どんどん上達していきます。
とはいえ子どもの中には、要領が悪く、失敗を繰り返す人もいます。そんな時こそ、失敗を指摘して怒るのではなく、『誉め』を効果的に使ってみてください。誉めるときのポイントは、結果だけを見て判断するのではなく、チャレンジしたことや努力の過程に目を向けることです。
『失敗は成功のもと』とはよく言ったもので、チャレンジに失敗は付き物です。そこで失敗に対して「なにやってるんだ!」と非難すると、次からチャレンジしようという気持ちはなくなり、確実にできることだけに意識が向かいます。それでは、なかなか成長に結びつきません。
新しいこと、できないことにチャレンジするときに失敗するのは当たり前。そう思っていると、ちょっとしたミスや失敗に腹をたてにくくなります。ミスをしたときは「次、次」と気持ちを切り替えさせ、うまくいったことがあれば、そこにフォーカスして徹底的に誉める。これを意識して、子どもと接してみてはいかがでしょうか。
ミスに対してアドバイスをしたいときにお勧めなのが『サンドウィッチ・テクニック』です。これはアドバイスを『誉め』で挟む方法です。たとえば、シュートミスが続いている子どもにアドバイスをするとき。
<最初に「シュートに向かう意識が高くていいぞ!」と誉めて、心の耳をこちらに向けさせます。次に「もう少し、コースを狙って蹴ってみたらどうだ」と、アドバイスを伝えます。そして最後に、「キミのシュート力があれば、相手のGKはキャッチできない。思い切ってプレーしよう」と、誉めることで気持ちを乗せて、やる気にさせます。
プラスの言葉をかけることで、心の耳を開かせてからアドバイスをし、プラスの言葉で締めくくる。そうすることで、言われた方も気分良く、アドバイスを受け入れることができます。これは子どもに限らず、大人同士でも有効なテクニックなので、日常生活等でぜひ使ってみてください。