こころ
2011年2月28日
【第11回】子どものメンタル、親のメンタル - いろいろある上手くほめる技術
■人を介してほめると効果的
このコーナー第11回目は、講師のメンタルトレーニング・コンサルタント、大儀見浩介さんに「誉め方のテクニック Part2」についてお話をお聞きしていきます。
前回は相手を『誉める』ときに有効な『サンドウィッチ・テクニック』を紹介しました。相手を誉めることは、コミュニケーションの面でも有効です。また、相手を誉めることで、誉めた側の頭の中もプラス思考になるので、互いにプラスの効果があります。
わたしは講習会をするとき、集まった人同士で握手をしながら、見た目でも雰囲気でも洋服でもなんでもいいので、お互いの良いところを3つずつ誉めあってもらいます。すると参加者のみなさんが笑顔になり、リラックスした雰囲気が生まれます。また、頭の中がプラス思考になっているので、相手の話を受け入れやすい状態になるんですね。
誉め方にも、いくつかの方法があります。『人を介して誉める』のも、効果的な方法のひとつです。直接、誉められるのもうれしいですが、「コーチがあなたのことを誉めていたよ」と第三者を介して言われると、違う種類のうれしさを感じると思います。また、間に立った人も、誉めていたことを相手に伝えることで、頭の中がプラス思考になります。一石二鳥ですね。
誉めるときは『イメージが浮かぶような誉め言葉』を使うのも効果的です。良かった行動やプレーの例をあげて、具体的にどこがどう良かったかを伝えると、言われた側は次から意識して行動するようになります。
兄弟の前で誉める時も、「試合には負けたけど、最後まで諦めずに走りきっていたね」と具体的に誉めることで、それを聞いた別の兄弟も「なるほど。最後まで諦めないことが大事なんだな」と、イメージすることができます。
このように、子どもと接するときは『誉め』を効果的に使うと良いと思います。誉めることで背中を押し、新しい何かにチャレンジするときの手助けをしてあげることができたら最高です。
『誉め』をうまく使って、プラスのコミュニケーションをとってみてください。
大儀見浩介//
メンタルトレーニング・コンサルタント。東海大学体育学部にて応用スポーツ心理学を学び、サッカーだけでなく、新体操女子U18日本代表や教育、受験対策など、様々な分野でメンタルトレーニングを指導している。著書に「クリスチアーノ・ロナウドはなぜ5歩下がるのか~サッカー 世界一わかりやすいメンタルトレーニング」(朝日新聞出版)、「心理戦術が日本サッカーを進化させる」(白夜書房)がある。公式HP『Mentalista』 http://www.mentalista.jp