こころ
2011年5月 7日
自分の『こころ』と向き合ってみよう。-気持ちを受け止める大切さ
日本を襲った未曾有の大震災から約2カ月が経ちました。 まだまだ不安定な状況も続いています。一見、元気なように見えても、本人も気づかぬまま、心に大きな不安を抱えていることもあります。それは大人も、子ども同様ですが、子どもたちは、より複雑な心の状態であると考えられます。そこで今、自分と子どもたちの"こころ"と向き合いながら、私たち大人ができる子どもたちのケアについて、考えます。
■PTSDの子どもの症例は、まとまりがなかったり、興奮した行動によって表現されることが多い
◆PTSD Posttraumatic Stress Disorder(心的外傷後ストレス障害)とは
ニュースや新聞などで "PTSD"という言葉を見かけた方も多いと思います。 PTSDとは,阪神・淡路大震災のときに取り上げられて以来,よく知られるようになった言葉で、正式には心的外傷後ストレス障害(DSM-IV-TRによる分類)といいます。外傷というのは、体のけがではなく、心の傷(トラウマ)のことです。命に関わる、強い恐怖と、そこから逃れることができないという無力感を体験した後に、長く続く心身の病的反応のことをいいます。
トラウマの原因になった体験が自分の意志とは関係のない場面で繰り返し思い出されたり(フラッシュバック)、はっきりしない内容の恐ろしい夢を見たりする「再体験」、トラウマの原因になった状況やその場面を、意識的に、あるいは無意識的に避ける「回避」、イライラがあったり、怒りっぽくなる。眠れないなどの神経の興奮状態が続く「過覚醒」といった症状が1カ月以上にわたって続き、社会生活に影響が出るような障害が見られる場合、専門機関でPTSDと診断を受けるケースが多いようです。
■子どもではどんな症状が生じるのか?
では、子どものPTSDでは、どんな反応を生じるのでしょうか? 子どもの場合、まとまりのない、または興奮した行動によって表現されることが多いようです。今回の震災で津波の被害を受けた子どもの中には、その時の様子を主題にもつ遊びをする(繰り返し人形を波にさらす、そのときの絵を描くなど)、あるいははっきりとした内容のない恐ろしい夢を見るなど、が起こるとされています。
■「自分は守られている」という感覚を、子どもに感じさせるようにすることが大切
◆専門家だけではなく、様々な立場の人がかかわることが大切
精神的なバランスを崩した方への支援は、精神医学者をはじめ臨床心理士、カウンセラー、ソーシャルワーカーなどの専門家でないと対応できないと考える方が多いと思います。