こころ
2015年1月13日
サッカー王国ブラジルの"負けん気"の育て方
■出る杭を打ってはならない
このような現状を、「日本人は恵まれた環境にいるためハングリー精神は育たない、国民性は変えようがない」と結論付けるのは容易です。
しかしそれでは、サッカー界の発展および子どもたちの成長に繋げることはできないと思います。
打たれ弱い、遠慮がち、周囲の目を気にし過ぎるなどといった「メンタル面の弱さ」は、サッカー日本代表の課題の一つでもあり、日本のサッカー界が持つ喫緊の課題のひとつでもあります。
子どもの発育段階に携わる“教育者”あるい“親”という立場としては、サッカーをしている間くらいは、我慢などせずに、本能のままに子どもらしく、負けたくない気持ちを前面に出したプレーをさせてあげないといけない。
では、そのような環境を作るためにはどのようにしたらよいのでしょうか。一番は、個性を尊重し、ありのままの子どもの姿を褒める姿勢ではないでしょうか。
「みんなちがって、みんないい」とは金子みすゞさんの言葉ですが、子どもたちの本能・個性にフタをしてはいけません。出る杭を打ってはならないのです。
子ども同士の少々の喧嘩や自己中心的なプレーを、安易に咎めてはいけません。大人の目を気にしてしまう環境を作らないことが大切だからです。言い換えれば、子どもたちが子どもたちらしくプレーでき、各々の“負けたくない気持ちを存分に発揮できるような環境を作ること。場合によっては収集がつかないほどの激しい言い合いが起きるかもしれませんし、試合後に悔しくて泣きわめく子もいるかもしれません。
しかしそんな姿はブラジルでは日常茶飯事です。喧嘩した子も泣きわめく子が、異端児や悪者として扱われることは決してありません。子どもたちが練習や試合の中で感じる“悔しい”という感情は、大事な成長の種です。
ブラジルのように、その種に水をやり育てる環境があれば、日本の子どもたちはさらなる成長を遂げることができるのではないでしょうか。