こころ

2015年1月21日

錦織、本田に学ぶ!最高のプレーを引き出すメンタルのつくり方

 

■環境の変化、心身の疲労がパフォーマンスへ悪影響

サッカーでメンタルの強さを持って結果を出している選手と言えば、日本代表MF本田圭佑がいる。
 
昨季途中、ロシアのCSKAモスクワからイタリアの名門ACミランへと移籍した本田だったが、周囲の期待とは裏腹に不振にあえぐ時期を過ごした。結果が出せず、自身のパフォーマンスに納得いかなかったこともあり、CSKAモスクワ時代と違って試合後のミックスゾーンでコメントを発することは皆無。5月にシーズンを振り返ったとき、「プレーにしても、ピッチ外にしても、僕自身の思い描いていたものと違っていた」と本音を吐露したことも。一方で、芯の強さを持つ選手らしく「時間が経てば状況も変わる。そうなれば、自分の良さも出てくるだろうし、そういう状況でプレーできれば、ミランのファンを満足させることができると思う」と気持ちを切り替え、ポジティブな姿勢を見せていた。
 
イタリアでの慣れない生活と、慣れないサッカースタイルで疲弊した本田は、6月のW杯でも初戦コートジボワール戦でこそ得点し結果を出したが、彼本来のパフォーマンスからは程遠いプレー内容に終始。大黒柱の不調も影響し、日本は予選グループで姿を消すこととなり、同大会の日本の敗退をもって、本田の2013-2014シーズンが終わった。
 
オフシーズンでゆっくりと静養を取ると、迎えた新シーズン、本田は見違えるように復活を遂げ、リーグ戦開幕7試合で6得点と好調なスタートを見せた。今では地元メディアへの対応もイタリア語でやり取りするようになっており、イタリアでの生活に慣れたことで心身ともに充実した状態で試合に臨めていることが起因している様子。新監督フィリッポ・インザーギの信頼も厚く、同監督の期待に応えるように結果を出している状況だ。
 
元よりメンタルの強さを備えているが、周囲の雑音を嫌い、高評価を得られればそれを糧にしてさらに力を発揮するタイプ。インザーギ新監督が「彼は模範的なプロフェッショナル。ホンダは過小評価されていた。いまでは誰もが彼の実力に気づいている」(2試合連続ゴールを決めた第2節パルマ戦後)と好評したが、その言葉のあとも本田は得点を重ね続けた。ここ数試合はゴールは生まれていないが、今季のチームにおいて欠かせない存在となったことは言うまでもない。
 
錦織、本田の例からも分かるように、選手のパフォーマンスの良し悪しには技術、フィジカルのほかにメンタルの面が大きな影響を及ぼす。錦織はその温厚な性格に、チャンコーチによって闘争心を植え付けてもらい、本田は新しい環境に慣れることで心身を整え、新監督の高評価を得ることで自信をつけ、持ち味をさらに発揮していった。指導者は技術の指導だけでなく、選手それぞれの性格を認識し、選手に合った環境を整えてあげ、選手たちの心身の成長、レベルアップを促す大事な役割を担っていると言えるのかもしれない。
 
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