こころ
2015年2月 9日
子どもを一流ビジネスマンにする!サッカーで学ぶ2つの能力
みなさんは、子どもをサッカーチームやスクールに入れた理由を聞かれたとき、どのように答えますか?
「サッカーをしてるときが楽しそうだから」
「将来、Jリーガーにしたいから」
「運動オンチを克服してもらいたいから」
いま必死にグラウンドでボールを追っかけまわしている子どもたちのなかで、将来、Jリーガーになれるのは一握りです。そう考えると、「この子が大人になったとき、なんの役に立つのだろう」と考えてしまうものかもしれません。
しかし、サッカー選手になれなくても、すべてのサッカー少年は、成長し大人になり社会に出ます。ビジネスマンになったとき、いまサッカーをしている経験がどう活きるのか。今回は、人間形成という側面からサッカーをプレーするメリットと、子どもがサッカーを通してなにを学ぶべきかをお伝えしていきます。(文・広瀬一郎)
■他者を尊重できることが、優秀なビジネスマンの条件
かつて『スポーツマンシップ立国論 ~今求められる人材育成戦略~』を著した際、政界や経済界の方たち数名に贈呈しました。その中から「スポーツマンシップとビジネスパーソンシップとの共通点が多いことを発見した」という内容の丁寧な礼状を頂きました。日本郵便の最初の総裁だった生田正治氏からでした。しっかりと正確に読んでいただいたことに感激しました。
スポーツマンシップの核は、“尊重(Respect)”と“勇気”です。リスペクトとは、人や組織や制度への本質的な理解のことです。やさしく言えば、他者の“存在意義を認める”ことです。こういうと簡単なようですが、ほとんどの人はできていません。その人の本質を理解しないで“存在意義を認める”こと、つまり“尊重”することはできません。スポーツの存在意義を理解しないでスポーツをしていることや、「スポーツマンシップ」を理解しないまま、安易に「スポーツマンシップに則って」と選手宣誓で言ってしまうこと。これらは、存在意義を理解しない典型ですね。かく言う私もこの本質を知ったのは齢40を越えてからでした。つまり選手時代は、スポーツマンシップを理解せずにサッカーをプレーしていたのです。