こころ

2015年5月 8日

なぜ「早くしなさい」と言っても子どもの行動は早くならないのか

「いい加減にしなさい!」
「早くしなさい!」
「ちゃんとやりなさい!」
 
わたしたち親は、こんな風に子どもに言いますが、そもそも子どもたちはわたしたちの"いい加減"をわかっているのでしょうか? 子どもは精一杯早くしているつもりなのに「早くしなさい」と言われたら、「早くしているのに......」と思ってしまうはず。
 
では、どのように子どもに自分の思いを伝えればいいのでしょうか?
 
 
前回記事『あなたの「言い過ぎたかも」を無くす!5つの怒らない技術』でイライラしない子育てテクニックを教えてくれた嶋津良智さんに伺ってきました。(取材・文 前田陽子 写真 サカイク編集部)
 
 

■イライラしないコツは準備をすること

子どもにリクエストするときは、抽象的な表現ではなく「○時まで」「元あった場所に使ったものは戻すのが片付け」など、して欲しいことを具体的に伝えます。そうすることで自分が何を求められているのかがわかり、行動に移すことができます。
 
人は誰でも心の中に自分の枠を持っています。枠とは、価値観や思い込み、固定観念、期待など。親は子どもに対して「子どもは親の言う事を聞いてくれる」「親の言う事を理解している」という枠を持っているのではないでしょうか? そのために、子どもが言う事を聞かないとイライラしてしまうのです。枠を外すのはなかなか大変なことかもしれませんが、そもそも枠を持たないようにしてみませんか? 子どもは○○して当然と思わず、子どもができないことがあってもそれは事実として受け止めます。「そうか○○はまだできないのか」と事実を認めると、どうしたらできるようになるのかという方法が考えられるようになります。
 
また、子どもにイライラすることを回避するためにも、日ごろから子どもにこう育ってほしい、こうして欲しいという思いを伝えましょう。歯磨きを習慣化させたいのなら、「寝る前に歯磨きをしなさい!」ではなく、「虫歯を作らないために寝る前には歯磨きをしなくてはいけない」とその理由を伝えます。そして、歯磨きができたら「ちゃんと歯磨きができたね」とできたことを口に出して認めてあげます。大人の要望に子どもが応えたのに、何も伝えないのはNG。ほめる必要はありませんができたことを認めます。
 
子どもへ親の考えを伝えていないのに、言う事を聞いてくれないとイライラしている人が多いように思います。子どもは大人が思っているより、大人の話を理解しています。どうしてほしいのかを具体的に伝えましょう。ただし、気持ちを伝えたからと言って、その通りになるとは限らないので、子どもへの期待は最小限に。嶋津さんは「子どもは親の言う事を聞くべきだ」という枠は持っていないそうです。子どもには子どもの考えがあります。親の言う事は聞かない、わかってくれないのが普通だと思うと、言う事を聞いてもらえなくても「当然ね」と思えるようになります。
 
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