こころ

2015年5月26日

正しいあいさつは体幹を鍛える!子どもに伝えたいマナーの極意

 

■相手の目を見て心を残す、マナーの極意を学ぼう

今の子どもはよく3つの"間"がないと言われます。時間、仲間、空間の3つです。習い事に通い、ゲームをして一人で遊び、公園では『ボール禁止』という看板が立っているので友達と思いきり体を動かすこともできない。当然、都市部になるほど規制が厳しくなるのは仕方ありません。だから、大人たちが家族単位、学校単位、地域単位で、子どもたちが抱えるストレスを開放してあげる場を作って上げることが大切です。
 
子どもたちが安心できるコミュニティの中で、三世代に渡る人間が"マナー×スポーツ"をテーマにした教室で交流をはかる。マナーキッズプロジェクトが活動する意味はそこにあるでしょう。
 
「理屈じゃないんですよ。私たちは子どもにマナーを教えるとき、『おはようございます』『ありがとうございます』と丁寧な言葉で発する挨拶を選んでいます。『こんにちは』『こんばんは』は“ですます調”ではないから丁寧ではないですよね」
 
そう話をしてくれた田中さん。世の中がどんどん近代化し便利に変わる一方で、失ってはいけないものを感じるからこそ、昭和15年生まれ、つまり戦前生まれの田中さんたちの世代が残せるものがあるとはっきり言い切ります。
 
「小笠原流礼法を伝えてくださる鈴木万亀子総師範は、まずお父さんやお母さんに語りかけます。そして、親子でしっかり向き合うことを訴えかけます。たとえば、朝の挨拶。お父さんやお母さんに朝『おはよう』と挨拶を返すとき、単に頭だけを向けて挨拶をすることはいけないことだと言います。『朝に見て、昼には呼びて、夜触れて確かめおかねば子は消ゆるもの』。昔からこんな言葉があるそうですが、子どもにマナーを教えるのも、子育ての一環です。心と心とを通い合わせるコミュニケーションが基本なのではないでしょうか」
 
マナーキッズプロジェクトのサイトにアップされている動画をのぞくと、“マナー×スポーツ”教室を体験した子どもたちが感想を述べています。その中でとても印象に残る言葉がありまます。それは“残心”です。とある子どもがこんなことを語っています。
 
「最後に相手の目を見て心を残すことによって、何が変わるのかを考えました」
 
大人がマナーを伝えることの意味は、この言葉に集約されているのかもしれません。
 

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