こころ

2015年11月 4日

あなたの声掛けが原因!?子どもの「どうせ無理だよ」をなくす方法

 

■"失敗=ダメ"じゃない!環境づくりが親の役目

『サンガつながり隊』としてたくさんの子どもと接する中で、「どうせ無理」と最初から諦めてやらない子どもが多いと福中さんは言います。そういわれてみるとうちの娘も、まるで口癖のように「あー、無理無理」と、やってもみないのにそう言ってまったくやろうとしないことがあります。「自分には無理」ではなく、「できるかどうかはやってみないとわからない」「自分ならできる」と思える人間であって欲しい、親ならそう思いますよね。そこで、親にできることはないでしょうか。
 
「“できない=失敗”“失敗=ダメ”ではなく、“失敗=ダメじゃない”“できない=楽しい”という環境を大人が作ってあげること」だと福中さんは言います。「できなくても大丈夫だよ」と見守る姿勢が大切なんだとか。「これはこうしないとダメ」「これができないとダメ」、そんな風に親が言うことによって、“失敗=ダメ”と思い込んでいる子どもがじつに多いそうです。また、そういった親のアプローチは、人と違うことをすることを恐れる気持ちも育ててしまいます。同調性の強い年代ではあるとはいえ、うちの娘も些細なことをよく気にしています。天気が晴れていればナップサックで登校し、雨だったらランドセル、はっきりしない天気の日は大変です。家の窓から登校するお友達の姿を確認する有様です。自分だけ違うものを持って登校するのが嫌なのでしょう。「前へ倣え」の日本の教育環境にも問題はあるのでしょうが、これも親の接し方によって変えていけるはずだと福中さんは言います。
 
「いまの子ども達は人と違うことをするのが怖いんですよ。。そこを崩してあげたい。みんな違っていていいんだと大人が示せるか、親が示せるかだと思います。たとえば、壁があるとします。その壁を乗り越えることが難しそうだったら、こっちの階段を使う選択肢を与えてあげてはいかがでしょうか。「ここしか道はない、ここをがんばって上れ!」と言うのではなく、「そこが無理ならもっと上り易い階段があるよ。どう?」って。そういう示し方を親がしてあげられると思うんですよ。よくありがちなのが、こんな高い壁をまず大人が用意して、大人が無理やり引っ張って越えさせようとする(笑)。じゃあ今度、大人がいなかったら、子どもだけでその壁上れますか? 上れないですよね。その壁を越えるのは親ではなく子どもなんだから、自分で上がり易い、チャレンジする階段を自分で見つける。そういう環境設定を親がしてあげられるといいのかなと思います」
 
さらに、できない子どもへの対応として“スイッチの切り替え”が大切というお話がありました。「できない子がいた時に、そのメニューを長くやってしまうと、その子はずっとできないスイッチですよね。だからその場合は一旦切って、新しいスイッチを入れてあげたらいいと思います。待つことは大事ですけど、でも、変われない子をずっと待ったって変われないです。そこはやっぱり環境設定ですよね。違う環境を設定してあげる。さっきの階段の話と一緒です。
 
高い壁を乗り越えられない子をずっと待つことは難しいです。はい、こっちの階段どう? と新しい環境を提供してあげる。自分で乗り越えられるような設定であることが重要です。どんだけ低くてもいいんです。低い階段を何段も登れば高い壁と同じ高さになります。その高さまで子ども自身に歩いてもらう設定をしてあげるのが、コーチや親など大人の役割だと思います」
 
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