こころ
2016年9月12日
反省会はしないほうがいい⁉ 前園真聖が教えるイライラしないサッカー少年の育て方
怒りのコントロール術であるアンガーマネジメントを学び、公認の講師資格を持っている前園真聖さん。前回記事では、サッカー経験豊富な親ほど感じやすいイライラを解消する方法を教えてもらいました。後編となる今回は、子どものプレーから向上心を感じられずにイライラしてしまうときの対処法を教えてもらいました。ぜひ、参考にしてみてください。(取材・文 小林博子 写真 八木竜馬)
■「もっとがんばりなさい」と言っても子どもの意識は変わらない
サッカーをしたいというから練習や試合の送り迎えをしてあげて、シューズもウェアも揃えてあげて、チームにも入れてあげた。「それなのに、なんでうちの子は全然がんばろうとしないの?」と怒りを感じるお母さんに、怒りをコントロールする方法をアドバイスしてください。
[前園真聖からのアドバイス]
これは、子どもの意識が変わらないと状況は変わらないので、お母さんとしては耐えるしかないんですよね。
「もっとがんばりなさい」と言っても、子どもの意識は変わりません。
子どもが心から「試合に出たい」「あの子に負けたくない」と思うことが重要です。お母さんとしては、そのタイミングを待つ以外にできることはないと思います。いくら自分の子どもとはいえ、人の気持ちを変えることは難しいので、イライラしても状況は変わらないと考えましょう。
「こんなにいろいろやってあげたのに」となるべく思わないようにすることも、イライラ対策になると思います。
もしかしたら、お子さんの興味の方向がサッカー以外のことに向いている可能性も考えられるので、「前はサッカーがやりたいって言っていたけれど、いまは違うの?」とズバリ聞いてしまってもいいと思います。子どもがサッカーに集中しない明確な理由があれば、納得のいく結果になるかもしれません。
サッカーだけに執着しないで、「他に興味があることがあったらそっちをやってもいいよ」くらいの気持ちでいることでお母さんの気持ちもラクになるのではないでしょうか?
■イライラしたくないなら反省会はしない
息子の試合観戦後、車のなかでその日の試合内容について反省会を開く。「こっちは子どもにもっとうまくなってもらいたいと思って必死なのに、わが子ときたら『またはじまったよ!いやだなぁ』という表情。うまくなる気があるのかとイライラしてしまう」そんなときのイライラをコントロールする方法を教えてください。
[前園真聖からのアドバイス]
ぼくも子どものころはそういう経験があります。とくにサッカー経験がないお母さんが相手だと「お母さんはサッカーを知らないくせに」と思いがちで、そういう態度につながります。
イライラしないためには、「いつも反省会をしない」ということを意識してみてはいかがでしょうか。試合のあとの車の中では、どうしても反省会になりがちですが、それをやらない日があってもいいのではないでしょうか。
親が思っている以上に、子どもは悔しい気持ちをもって、どうすればいいのかを考えています。自分で考えさせてあげるためにも、本人が嫌がるなら親から反省会を始めるのはやめてしまってOKです。
「うまくなる気があるのかとイライラする」とのことですが、もちろんあるはずです!
子どもを信じてあげましょう。
「子どもから言い出すまで待つ」くらいのスタンスでいて、どうしてもというときにだけ、親から話しかけてみてください。
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