こころ
2017年1月23日
モンスターペアレンツから、子どもに寄り添う「エンジェルペアレンツ」になろう
■ジュニアアスリートにとって最も大切なのが親
選手の周りには、コーチ、マネージャー、部活をしているなら、部活の先生、チームメイトなど、多くの人に支えらえています。そしてジュニアアスリートにとってなによりも親はとても大きな存在ですが、チームやコーチによっては「親は口出しNG」というスタンスのところもあります。
私のテニスアカデミーでは、選手・コーチ・親が三位一体となり、選手をサポートすることを大切にしています。ネットサイドで子ども達を見守る親は自分の子どもに集中し、コーチは一人で数十人の選手をみています。たとえば、子供の調子がいつもと違うと思った時、コーチが見逃してしまうようなグリップの握り方を親は3㎜違うことにも気づくかもしれません。子どもを最大限に伸ばすよう、コーチには親を利用してもらい、親には技術を持っているコーチを利用してほしいと思います。
ここで気をつけていただきたいのが、熱心なあまりモンスターペアレンツにならないで欲しいということ。親のもつ無二の愛情のベクトルを正しく子供に伝えることで、いつも見守ってくれる、気が付いたら寄り添っていてくれる、そんな“エンジェルペアレンツ”になってほしいと願っています。
■YES NO で答えられる質問はしない
お父さんとお母さんの生き方の哲学はそれぞれ異なると思いますが、子育てについては共通の考えを持つことが大切だと思います。たとえば、どちらか一方が勝利至上主義で、一方が勝利に向かうプロセスが大切と思っていた場合、家族としての軸がぶれ、子どもが混乱してしまいます。
また、コミュニケーションにおいては、親からの一方的なティーチングではなく、双方向のコミュニケーションが大事になります。そのためには、自分の感情を知り、コントロールした上で伝える力を身につけることが大切です。
私たちは喜怒哀楽という感情を持っています。喜び、悲しみ、楽しむということは目の前で起きたことに起因する一次感情ですが、怒りは二次感情で、怒りが起きるところには必ず一次感情があります。例えば、約束の時間までに子どもが帰ってこないとき。最初は事故にあったのでは?と心配しているのに、段々と怒りに変わり、帰宅時に「なんで遅くなったの!」と怒りが全面に出てしまいます。本来は心配していたのですから、まずはその言葉を投げかけてみましょう。
「心配していたのよ。」と始めるとその先は「遅かったじゃない。今度は連絡してね」となり、その先のコミュニケーションにつながります。怒りを伝える前に、一次感情を伝えることで子供との会話をスムーズに進められます。
双方向のコミュニケーションを育てるうえで、多くのトップアスリートの家庭で実践されていたのが、YES NOで答えられない質問をすることです。「どうしたいの?」「なぜなの?」と子どもが考えて答える質問をすることで、聞く力と伝える力が身に付きますので、ぜひ実践してみてください。待つことは簡単ではありませんが、そのような会話を通し子供との時間を楽しんでもらいたいと思います。
ジャパンアスリートペアレンツアカデミー(JAPA)/
JAPAとは、ジュニアアスリートの親が子どものスポーツ活動に関わりながら、子育てについて学び、 考える教育プログラム。その分野の第一人者である杉山芙沙子をはじめ、オリンピアン・パラリ ンピアンを育てた親や、プロのアスリート支援関係者など充実した講師陣から、親としてどのように 子どもをサポートすることができるのかを学ぶアカデミーです。
https://athleteparents.jp/
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