こころ
2017年3月13日
時には" あきらめること"で心がスッと軽くなる!ネガティブワードは言い換えることで優しく届けよう
子どものサッカーに関わっていると、たくさんの悩みや不安、ときには不満が浮かんできます。そこでサカイクでは、元結不動 密蔵院住職で「あきらめる練習」「気にしない練習」など、多くの著書をお持ちのベストセラー作家・名取芳彦(なとり・ほうげん)さんに、親の心構えについて話を聞きました。インタビュー2回目は「コーチに怒られたときの親の対処法」「他の子どもと比較をするときに気をつけたいこと」などをお届けします。(取材・文 鈴木智之)
■コーチの人格は否定せず、キツイ言葉での指摘は言い換えて “エール”に
自分の子どもがコーチに、できないことを指摘されている場面を見たとき。親として、子どもにどのようなサポートをしてあげれば良いのでしょうか? 名取住職は「そんなときは、言い換えをしてみてはいかがですか」と優しく語りかけます。
「たとえばコーチに『なんでできないんだ!』と強い口調で言われると、子どもは落ち込みますよね。そこで、保護者の方は『できないことを指摘してもらってよかったね。次から、できるようにがんばれってことだよ』と言い換えをしてみてください。コーチが乱暴な言い方をしたので、子どもは嫌な気持ちになるかもしれませんが、同じ内容で優しく言えばこういうことだよと、親が言い換えをしてあげるんです。『なんでできないんだ!』と言われた時は『できるようになったら素敵だよ、という意味だよ』って(笑)」
ここで保護者として気をつけたいのが、コーチを否定しないこと。保護者がコーチを否定するようなことを子どもに言うと、子どもはコーチに不信感を抱き、アドバイスを受け入れ難くなってしまいます。
■他の子と比べるときは、「目標」としてやる気を出させる。目指すもののためなら努力も続く
また、他の子どもと比べて『うちの子はなんでできないの』と思うことも、良いことではないと言います。
「他の子と比べるのであれば、単純に比較するのではなく、目標として捉えること。あの子に比べてうちの子はダメだという、自分の子を卑下するような比べ方であれば、しないほうがいいんです。あの子と比べて、うちの子はできない。そこまで到達できるように、子どもと一緒にがんばろう。それこそが、大きな目標になります」
「今はできないけど、来年の今頃はできるようになってやろうと。他の子と比較をしてネガティブな感情を持つのではなく、子どものやる気に変換していき、理想に向かって努力する。それは向上心にもつながるので、とても良いと思います」
できない部分を比較して落ち込むのではなく、できるようになるための目標として捉える。これは、とてもおすすめの考え方です。目標に向かって努力することは、何歳になっても必要なことであり、名取住職は「人間は目標がなければ、我慢ができない生き物」だと教えてくれました。
「小学校の講演会に行くと、保護者の方から『うちの子は我慢ができないんです』という相談を受けます。それは当たり前のことで、人間は目標がなければ我慢はできないんです。私だって、美味しいビールを飲むという目標があるから、水を飲まずに話し続けることができるわけです(笑)。そこでただ『水を飲むな!』と言われても、我慢できません。子どももまったく同じです」
目標を達成するために、いまはゲームを我慢して練習する。勉強をする。保護者がやみくもに「練習しなさい」「勉強しなさい」と言っても、子どもはただ我慢させられているだけなので、長続きしないのです。
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