こころ
2017年9月12日
その褒め方、選手にちゃんと響いてる? 子どもたちが伸び伸びプレーする「声かけ」とは
■その褒め方、選手に響いてますか?
選手をポジティブに評価して褒めることが大切なのは言うまでもありませんが、それが「うわべだけの言葉」だと、ただの嘘つきになってしまいます。
「今週、君は本当に素晴らしかった。君はファンタスティックな選手だ。君のような選手をトレーニングすることができてものすごく幸せだ。でも試合では18人しか登録することができないから、今回は残念ながらスタンド観戦だ」
例えばプロチームの監督の談話として、こんなコメントを聞くことがあります。でも言われた選手は褒められたと思えるでしょうか?
「自分はファンタスティックな選手で、素晴らしい練習をして、でも試合には出れない。これ以上どうしろというんだ?」
選手としてこうした感想を抱くのが普通です。 声掛けが「適切な褒め方」に沿ったテクニックの真似事だと、その言葉は選手には届きません。
ただ何でもかんでも褒めるのではなく、何がよくて、何を改善すべきかが見えてこないと、成長に結びつかないのです。
■指導者のイメージに導く声かけは強迫観念
あるいは日本でのとあるトレーニングを見学している時に、こうしたシーンを目にしたことがあります。ミニゲームの局面で一人の選手がドリブルでペナルティエリアに差し掛かっていた時に、コーチが声をかけだしました。
「お、素晴らしいね。ゴール前ではどうするんだい? 相手DFが迫ってきたね? どんなことができる?」
おそらくですが、「問いかけるコーチングが子供の自主性を高める」という指導を受けたのでしょう。でもこんなことを言われてもやっている選手にとっては残念ながら邪魔なだけです。
まさに「ゴール前でどうしようか」とプレーしているときに、こんな風に問いかけられても「うるさい!!」となるだけです。
世の中ではいろいろなメソッドや理論が紹介されています。でもなんのためにメソッドや理論が必要かを考えなければなりません。
上記の例だと、相手を思っての声かけではなく、指導者が思っているイメージ通りにやらせるための声かけになってしまっているので、「監督が思っているような反応をしなきゃいけない」という強迫感を子どもたちに与えてしまいます。
でもそれは自主性と一番遠いところにあるものではないでしょうか?
明確な評価と目標・課題の設定。それに選手だけが取り組んでいるというのではなく、自分も一緒に取り組んでいるという気持ちを与える。選手個人が持っている価値観に耳を傾ける。
そうした指導者からのアプローチが選手の「ミスをしたらどうしよう!」という不安を取り除き、チャレンジすることがプラスになると思える方向へ導くことができるはずです。
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