勉強と進路
2011年7月17日
東大卒Jリーガーが語るサッカーと勉強の両立/久木田紳吾(ファジアーノ岡山)【File.2】
「(合格発表を)直接、見に行ったわけではなく、学校のパソコンで先生が結果を見てくれて、合格したことを聞いたのですが、本当に嬉しかったですね」
■「母からは、留年をしたらサッカー部も退部しなさいといわれていたんです」
――大学入学後の勉強に関しては?
「高校時代まではとは異なっていて、教授との距離がかなり遠く、徐々に専門的な勉強になっていったことで、勉強への興味を失ってしまいました。高校まではテストがあって、そこで、いい点数、順位を取るという目標があったのですが、大学では順位が出ることもなく、内容も難しくなって、学校そのものに対する楽しさが格段に下降しました」
――その中で目標にしたものは何ですか?
「単位修得。とにかく"留年をせずに卒業しよう"と思っていました。母からは『留年をしたらサッカー部も退部しなさい』といわれていたので、頑張りました」
――その頃はご自身の将来について、どのように考えていたんですか?
「大学に入学するまでは、正直なところ、自分がこのままサッカーを続けてプロになれるかどうか、不安な面がとても大きかったんです。でも、大学の入学式で『誰も挑戦したことのないことに、挑戦することに価値がある』という祝辞をいただき、その言葉を聞いて、『よし、本当に挑戦しよう!』と思えたんです。そこでサッカー部に入ることも決断しました」
――東大のサッカー部に入って感じたことを教えてください。
「予想以上にレベルが高かったということ。でも(プロになるためには)、東大がいるリーグ(当時東京都2部リーグ、現在は1部)自体が、あまりスカウトに見てもらう機会がないので、まずはどうやってプロになろうというところから考え始めました
具体的には、まず、サッカー選手として自分を高めなければ、たとえスカウトの方に見ていただいたとしても注目されないので、プレーのレベルを高める努力をしました。また、コーチやOBのみなさんを頼って、プロチームの練習に参加することをお願いして、大学3年のときには、自分のプロモーションDVDも編集しました。そこでファジアーノ岡山に声をかけていただき、強化指定(※)を経て加入となりました」 ※久木田選手は大学4年時(2010年10月)にファジアーノ岡山の強化指定選手となり、J2デビューを果たしている