勉強と進路
2016年1月22日
「サッカーでの経験が、学業やビジネスの世界でも役立っている」元ゴールドマン・サックス、トップビジネスマンが語るサッカーの力
今回は時国司さんをご紹介します。肩書きを言うならば、ビジネスマン兼フットサル代表選手。彼は、慶應義塾大学経済学部を卒業後、東大生ですら年間数名しか入れない外資系金融業界のトップ、ゴールドマン・サックスに入社しました。結果を出すことができなければ解雇も日常茶飯事。厳しい競争の中で活躍している時国さんは、現在英国のオービス・インベストメントという投資ファンドの香港オフィスで共同責任者に就任しながらも、同時にフットサル代表にも選ばれています。
どうせ、英才教育を受けてきたどこぞの御曹司だろう。
時国さんの経歴をみて、そんな憶測を立てた読者もいるかもしれませんが、それは誤解です。彼は、あなたのお子さんと同じ、どこにでもいる普通のサッカー少年でした。
日本と台湾のハーフである時国さんは34歳となった今も、香港フットサルリーグに所属する香港レンジャースで、キャプテンとしてプレーを続けています。昨年はフットサル台湾代表にも選出され、FIFAフットサルワールドカップアジア一次予選に臨むと、強豪韓国を撃破するなどジャイアントキリングを起こし、今年2月にウズベキスタンで開催される最終予選進出を果たしました。
外資系金融業界でビジネスマンとして結果を出しながらも、フットサル選手としても香港を舞台に戦い続けている時国さんは、文武両道を高いレベルで実践していると言えるでしょう。「サッカーでの実績や経験が、学業やビジネスの世界でも役立っている」と語ります。
どのようなことを日々意識すれば、高いレベルでの文武両道を実現することができるのでしょうか。(取材・文 内藤秀明)
■目標から逆算して計画を立てる
そもそも、サッカーと学業や仕事に共通する要素は何でしょうか。「目標から逆算して計画を立てること」と時国さんは語ります。
「私の場合は『台湾代表になる』という夢がありましたが、サッカーを通じて、自分で目標を設定し、達成に向けて軌道修正しながら前進し実現する、ということを体験できました。そのおかげで、頭脳では到底世界のトップと勝負できない私のような人間がゴールドマン・サックスに入社できて、その後もある程度は結果を残し、12年間この業界で生き残れているのかなと思います。サッカーでの経験がなければ、多分途中で心が折れていました」と明かします。
日本人は一般的に勤勉だと言われています。サッカー少年の多くも練習に真面目に取り組みます。しかし、どれだけの人が明確な目標設定をして、本当に練習の目的を意識しながら取り組んでいるでしょうか。時国さんが台湾代表になるという目標を立てたのは小学生の時です。小学生だからといって早いことはありません。
最初はしっかりと目標を立てることが難しいかもしれません。その場合は、たとえば「将来プロになりたいけど、ドリブルが下手だと思うからドリブル練習をがんばる」「来週の試合で勝つために点をとりたい。だから、シュートをたくさん練習したい」というような簡単な目標設定からで構いません。それを積み重ねることで、だんだんと精密な目標を立てることができるようになります。
いかに早い段階で明確な目標を立て、綿密にプランを立て、毎日それを意識できるかということが、「突き抜ける」ための第一歩なのではないかと感じました。
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