テクニック

2011年4月17日

【第14回】試合観戦でイメージトレーニングをしよう!-ゲームの流れを変えるのが"縦パス"-

このコーナーでは、Jリーグや大学など、トップレベルのチームで監督として豊富な指導経験を持つ、桑原隆さんに、TVやスタジアムで試合を観て、知識や技術を豊かにしていく"コツ"をお聞きしていきます。

ゴールにつながる"縦パス"

「サッカーにおいて攻撃のキーワードとして外せないのが"縦パス"です。これが入らないとサッカーは面白くないですよね。アジア杯の日本代表ではMFの遠藤選手から前線へどんどん縦パスが入っていたのを覚えている方も多いと思います。またそこからゴールへ繋がることも少なくはなかったはずです。

 遠藤選手のプレーを見ていて感じるのは、彼はクラブでも代表でも常に縦パスを狙っているし、パスの質も素晴らしい。質というのは精度もそうですが、ゆっくりとしたボールだと相手に取られてしまいますからスピードも求められます。

 その点、遠藤選手のパスは足元へしっかりと正確なボールがビシッと入りますよね。だから、受ける方も、よほどボールコントロールがしっかりしていないと厳しい。Jリーグでもガンバ大阪の強さを支えているものは遠藤選手の縦パスだと思います。派手な選手ではないけど、クラブでも代表でもチームにしっかりと貢献していますよね。

 では縦パスを配球するにあたって必要な能力とは何でしょう。まず、キックの上手さは当然ですが、さらに大事なポイントがあるんです。  それは相手DFにパスコースを読まれないようなコンパクトな振りで鋭いボールを入れられるかということ。こういった技術はどうしても中盤の選手に要求されますが、現代サッカーではすべてのポジションにおいてそういった部分が求められます。したがって、DFからもどんどん縦にボールが入るのが理想です。例えば、バルセロナのDFピケは縦パスを入れるのが上手いですね。また、名古屋グランパスのDF闘莉王も常に縦パスを狙っています。

 相手の急所を突くような縦パスが入ると、それまで劣勢だったチームにも勢いがつきます。どのポジションから縦パスが入り、それによってどのようにゲームの流れが変わるのか、ぜひ注目してみてください」

桑原隆//

Takashi KUWAHARA
1948年5月5日、静岡県出身。藤枝東高校卒業後、古河電気工業で攻撃的MFとして活躍。現役引退後に指導者となり、96年から9年間にわたって監督・コーチ・強化育成部などを務め、ジュビロ磐田の黄金期を支えた。その後、浜松大学監督、横浜F・マリノス監督を歴任。Jリーグや海外リーグ等、サッカー中継の解説者としても幅広く活躍している。

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