テクニック
2011年4月25日
【第15回】試合観戦でイメージトレーニングをしよう!-"身体をはる"ってどういうプレー?-
このコーナーでは、Jリーグや大学など、トップレベルのチームで監督として豊富な指導経験を持つ、桑原隆さんに、TVやスタジアムで試合を観て、知識や技術を豊かにしていく”コツ”をお聞きしていきます。
■ヘディングでの競り合いに注目してみよう
「みなさんは試合を観戦している時、どうして背の小さな選手が大きな選手にヘディングで競り勝つことができるんだろう、と思ったことはありませんか?
バルセロナ(スペイン)の試合を見ていると、決して背の高くないメッシが身体の大きなDFを相手にヘディングでシュートを決めている。また、先日のアジア杯でオーストラリア代表のケーヒル(エバートン/イングランド)は自分よりも長身の選手に対しても、ほとんどヘディングで負けていませんでした。背の高い選手が有利なのはいうまでもありませんが、ヘディングではそれよりも重要なことがあるんです。それがポジション取りです。
もちろん、背が高くてポジション取りが上手くできる方が制空権を握れますが、背の低い選手でも、いいポジションを取っていればヘディングに勝つことができるんです。一言でヘディングといってもシュート、パス、クリアなど、さまざまな用途とテクニックがあります。ですが基本的に対人の場合に、最も重要になことが”ポジション取り”なのです。
ドイツ代表として62試合で68得点を決め、爆撃機という愛称で親しまれた、ゲルト・ミューラーは、まさにそういったタイプでした。決して長身ではありませんでしたが空中戦が抜群に強かった。ポジション取りも優れていて、さらに身体の使い方も上手でした。身体の使い方というのはヘディングの場合、相手をブロックしマイボールにするという技術です。サッカーは手を使って相手を押さえ込むとファウルになってしまうので、自分の身体を最大限活用するんです。
また、あまりにもミスマッチの場合でも、競り勝てなくとも、負けないテクニックもあるんです。それは相手のバランスを崩すような身体の寄せ方をすることです。そうすることで相手が意図する場所へ配球することを防ぎます。