テクニック
2011年4月26日
【第16回】試合観戦でイメージトレーニングをしよう!-身体をはって、有利なポジションを確保するということ-
このコーナーでは、Jリーグや大学など、トップレベルのチームで監督として豊富な指導経験を持つ、桑原隆さんに、TVやスタジアムで試合を観て、知識や技術を豊かにしていく”コツ”をお聞きしていきます。
■”スクリーンプレー”に注目してみよう
バスケットボールでリバウンドを取るために行うスクリーンアウト(またはブロックアウト)というプレーがありますよね。あのように相手選手とボールの間に自分の身体を入れ込みブロックするというのはサッカーにおいても有効です。
基本中の基本ですが、しっかりと相手をブロックしていると絶対にボールを失うことはありません。また、一度相手に身体を当ててからボールをもらう、ぴったりとマークされている時、どのようにマークを外してボールを受け取るのか、などボールをもらう前の駆け引きにも、ぜひ注目してほしいです。
先日、リバプール(イングランド)からチェルシー(イングランド)に移籍したフェルナンド・トーレスはそういったプレーが得意ですよね。そこからシュートまでもっていく一連の動作も非常にスムーズです。また、Jリーグでは、前田遼一選手(ジュビロ磐田)はスクリーンプレーが上手です。ハイボールでも相手に身体を預け、クサビのボールもしっかりとキープできます。柔軟性や懐の深さに加え、ボールをきちんと抑えられる技術があってこそできるプレーといえるでしょう。
こういったプレーができると自分の得意なカタチでシュートを打つことができるようになります。それだけにアーセナル(イングランド)のファンペルシーやマンチェスター・ユナイテッド(イングランド)のベルバトフ、ミラン(イタリア)のイブラヒモビッチなど世界的なストライカーたちは身体を上手に使い、自分の得意なシュートのカタチに持っていくのが非常にうまいです。ボールを受けてからフィニッシュまでではなく、その一歩手前のDFとの駆け引きの段階を注意深く見てみると、そういった場面が多く見られると思いますよ」
桑原隆//
Takashi Kuwahara
1948年5月5日、静岡県出身。藤枝東高校卒業後、古河電気工業で攻撃的MFとして活躍。現役引退後に指導者となり、96年から9年間にわたって監督・コーチ・強化育成部などを務め、ジュビロ磐田の黄金期を支えた。その後、浜松大学監督、横浜F・マリノス監督を歴任。Jリーグや海外リーグ等、サッカー中継の解説者としても幅広く活躍している。
<<『桑原隆さんの試合観戦でイメージトレーニングをしよう!』最初の記事へ