テクニック
2011年5月 6日
オランダ流「2対1とプレーの選択肢を身につけさせる"しつけ"」
ヨハン・クライフを始め、数々のスーパースターを輩出するサッカー大国・オランダで指導経験のあるフィジカルコーチ/メディカルトレーナーの土屋潤二氏に、ユース年代で行われている練習法と指導の考え方について、教えていただきました。過去2回の記事と併せて読み、オランダサッカーを体感しましょう。
練習3 やってみよう!「サイドアタックを身につける 2vs1突破とパス」
【方法】 A1とA2がパスを交換し、5本通ったほうの勝ち。 もしくはA1がDF役のBの背後にパスを出し、A2がボールを受けてシュートを打てば勝ち。 DF役のBはパス5本を通される前にボールを奪うか、背後に出たボールをカットすれば勝ちとなります。
【解説】 この練習は、主にサイドでのアタックの動きを身につけるときに行います。ポイントは、ボールを持っている選手に2つの選択肢があることです。パスを5本通しても、DFの裏を通してもいいというルールなので、横パスを繰り返してDFをおびき寄せて裏を通す。あるいは裏にパスを出すフリをして、横にパスを出すなど、かけ引きをするようになります。
攻撃側の選手で大切なことは、味方がパスを出しやすい状況になった時に、敵との距離がルーズ(=裏のスペースは空いていない)ならば横パスで足下にもらうことです。また、敵のマークがタイト(=裏のスペースが空いている)ならば、縦の裏のスペースでパスをもらえるよう、相手とかけ駆け引きをしながら、自分が一番いい状態でボールを受けることも大切になります。
パスを出す側のポイントは、味方が一番いい状態でパスを受けられるようにタイミングを合わせること。そして、パスの強さと質(裏のスペースに出す場合は、走り込むところで止まるような、正確で強いパス)に注意することです。
一方のDF役は、裏にパスを出されないように意識を向けながら、ボールを取りに行きます。攻撃役も守備役も、実戦でよくある動きですよね。これは、サッカーの基本である『ボールのないところでのかけ引き』を意識させるための練習です。