テクニック
2013年7月24日
ドリブラー乾貴士がドリブルに磨きをかけた、セゾンFCのドリブル練習メニュー
サッカー日本代表の屈指のドリブラー乾貴士選手を輩出した滋賀県のセゾンFCの代表でコーチの土川晶夫さんにドリブルについての考えやドリブルに磨きをかけるドリブル練習メニューについてお聞きしました。
■たくさんのボールタッチを徹底して繰り返しドリブルを身体に染み付かせる
▼ウォーミングアップ
セゾンFCのウォーミングアップには走りはありません。ドリブルの練習がウォーミングアップです。反対ラインまでのドリブルでの往復を繰り返します。
また。足の裏や甲を多用してボールを撫でるようなドリブルを数種類用意し、徹底して繰り返すのが特徴。毎日、繰り返し練習することで、ドリブルを"身体に染み付かせる"ことを目指します。
また。足の裏や甲を多用してボールを撫でるようなドリブルを数種類用意し、徹底して繰り返すのが特徴。毎日、繰り返し練習することで、ドリブルを"身体に染み付かせる"ことを目指します。
ポイント
ゆっくりではなく、スピーディーにやることが重要です。
細かいタッチ繰り返すことで、スピードを上げていきます。
そのためには、2タッチ目を速く触らないといけません。
そして、足裏や甲を多用するメリットは"ボールが身体から離れない"こと。
なるべく身体からボールが離れないように意識付けましょう。
▼ジグドリ①
ウォーミングアップで身体が暖まったら、今度は相手を置いたドリブル練習です。ジグザグドリブル、略してジグドリ。ドリブルをしながらゆっくりと反対ラインまで進みます。反対ラインに到着したら、今度はドリブルでボールを持って歩いてくる相手をすり抜けていきます。元にいたラインに戻ってきたら、今度はまたボールを足で持ち、歩いて相手役に。これを繰り返します。
ポイント
ウォーミングアップと同じくドリブルスピードを速くするのはもちろん、相手との距離が狭いので、相手にボールをさらさずにうまく隠す、遠ざけることが必要です。
細かいタッチでスピーディーに相手の背後にすり抜けていくことが大事です。
▼ジグドリ②
今度はミニコーンを使ってのジグドリ。行きは1m感覚に置いたミニコーンの間を、ドリブルで走り抜けます。帰りはリフティングをしながら、元のラインまで戻ります。戻る際は対象物のマーカーの前まで来たら足の上にボールを乗せて、一時停止。リフティングから一時停止という流れを繰り返し、元の位置まで戻ります。
ポイント1
ドリブルの際はミニコーンが相手だと言うことを強く意識する。
ミニコーンからボールを隠すように、身体を左右、後ろに向けて、ミニコーンと角度をつけながらドリブルで進みます。
ポイント2
リフティングの際にも心がけるのは細かいタッチ。蹴るのではなくボールを突く。
細かいタッチをするためには足を素早く出さないとなりません。
足を細かく素早く出す練習を繰り返すことで膝下や足首の柔らかさを養います。
柔らかさを身につけることでボールを持った際に自然と姿勢が低くなり、ゲームをやっていても取られにくくなるそうです。
▼4対4でのボール回し
4m四方の狭いグリッド、8m四方の広いグリッドの2つを用意しての4対4のボール回し。2タッチなど制限をつけて相手にとられないようにボールを回します。一定時間を決めて、グリッドを移動し、交互に繰り返します。
ポイント1
この練習で重要なのは受ける意識です。
受け手はボールを持った選手に対し、角度をつける事、距離をとる事を意識します。
角度をつけ、距離をとる事でボールを持った選手のパスの種類も増え、スムーズなボール回しに繋がっていきます。
ポイント2
出し手で重要なのは動きながらではなく、止まってから、スピードを落としてからパスを出すことを心がけましょう。
理由は動きながらパスを出すと、身体がブレてボールがずれるためです。
その分、持っていない選手は速くパスが貰える位置に動くことが大事です。
「セゾンの練習を真似しようと、たくさんの指導者や保護者の方が見に来られるけど、なかなか同じようにはならないし、まったく真似する必要もありません。アレンジして自分なりの練習でいいかなと私は思います」
代表兼コーチの土川晶夫さんが話すように、今回紹介したメニューはあくまでサンプルです。"セゾンFCが相手の背後へすり抜けるドリブルを武器にするなら、自分はこんなドリブルを武器にするために練習をしよう"と自分たちの武器を考え、徹底することが大事だと思います。そして今回紹介したメニューをジュニア年代から始めた選手と、中学から始めた選手とではセゾンFCでも練習にも差が出るそうです。
夏休み中のお子さんのドリブルやパス練習の参考にしてみてはどうでしょうか?
セゾンFCとは?
1984年に滋賀県内初のクラブチームとして設立。高い技術を持つ選手を多く生み出し、倉貫一毅選手(京都)をはじめ、乾貴士選手(フランクフルト)、楠神順平選手(C大阪)など数多くのプロ選手を輩出している。これまで日本クラブユース選手権2回、高円宮杯全日本ユース(U-15)選手権3回出場。
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