テクニック
2014年10月 9日
サッカー界最高のパサー、シャビが伝授する良質なパスを送る3つのコツ
国際大会で何度も優勝を経験してきたFCバルセロナのシャビ。ピッチ上で彼が表現するパスサッカーは、国境を越えて数えきれないほど多くのファンを魅了してきました。
バルセロナの伝統ともいえるパスサッカー、ティキタカ(テンポの良いパス回し)の申し子とまで言われてきたシャビ。彼のようなハイレベルなパスができるようになるためには、どのような技術や心がけが必要になってくるのでしょうか。『UEFA.com』の動画で語るシャビのインタビューから探っていきましょう。(翻訳・文/永田到)
引用元:UEFA.com
①良いパスを出すためには、ボールの受け方が大切
まずは「対戦相手のことを自分の意識から取っ払って、ボールをうまく扱えるようにメンタル面を整えること」が前提というシャビは、ボールの受け方には2種類あると言います。
「ひとつはプレーがしっかりできるようボールを適切な位置にもってくること、それから、もうひとつはボールを完全にストップさせることです。身体をうまく使って、胸を使うにせよ膝を使うにせよ、身体を正しい位置にもってくる必要があります」
ボールを受ける時のコントロール方法も、シャビは2種類あると言います。「ひとつは足の内側、つまりインサイドやインステップでボールを受けとめることです。ボールを受けたあと、相手にすぐボールを返すときはこの受け方をします。もう1つは角度をつけたボールの受け方です。ボールを止めきらずに受け流すことで、相手選手との間に距離を取ることができます。足元を見ずに前を向いていれば、自分の行きたい方向にそのままボールを運んでいくことができます」
②ボールを奪われないコツは、相手の動きを把握すること
また、シャビはボールを受ける時に、ボールを敵から奪われないように「どの方向から相手が向かってきているのか」を把握することが重要だと語ります。それによって受けたボールをインサイドとアウトサイドのどちらに流して次のプレーに移っていくのか、適切に判断できるようになるからです。
みなさんは練習中に、静止した状態でボールを受けることはできても、試合中に動きながらプレーするようになった途端、うまくボールを受けられなくなった経験はありませんか? このことについては、「ボールを受けるときに(うまくプレーできるように)自分自身を勇気づけるといい」と言います。
一度コツをつかむことができれば、それから先は相手を寄せつけないようなプレーができるようになる、というのがシャビの持論です。
では、そうしたプレーがある程度できるようになり、うまく ボールを保持できるようになったら、次はどのようなステップに進むべきなのでしょうか。シャビはこの点について、「ボールが自分のコントロール下にあるときは、味方に対してどういうパスでボールを渡すのかを考えていかなければなりません」といいます。
「ここからのプレーには、さまざまな可能性が生まれてきます。リスクのないシンプルなパスを送る選択もあります。しかし時にはリスクを取って、敵陣深くにパスを送り込むチャンスを見つけていかなければなりません。そこからピッチ中央にパスを送り込むのか、それともサイドに送るのかを考えていく必要があります。一言にパスといっても、何通りもの方法があるのです」
③受け手の特徴に合わせてパスを考える
写真 Gerard Reyes
「ボールの受け手によってもパスを使い分けましょう。つねにね。たとえば、もし相手がアンドレス・イニエスタやダビド・シルバだったとしたら、彼らは足元にパスを受けるのを好みます。しかし、フェルナンド・トーレスなら敵陣に深く切り込むパスを好みます」
つまり、誰にパスを送るのか、そして、その相手はどのようなパスを好むのかということを、パスの出し手がしっかりと意識しなければいけません。シャビはさらに、そのパスの目的が何であるか、明確化しておくことの重要性も述べています。
「つまり敵陣に深く突き刺すべきか、それともボールを保持するべきかを考えてプレーしなければなりません」
バルセロナの選手の華々しいプレーを見て、「バルセロナの選手のプレーはうますぎて参考にならない」と思うかもしれませんが、シャビが挙げてくれたポイントは、小学生でも意識すればできる基本的な内容です。彼が挙げたポイントをひとつずつ押さえていけば、これまでと一味違うプレーができるようになるかもしれません。
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