テクニック

2014年10月23日

ロベルト・カルロスが教える!弾丸シュートの蹴り方

ブラジルには世界のトップレベルで活躍するサッカー選手が次から次へと現れます。中でもロベルト・カルロスはレアル・マドリーにおいても長きに渡って活躍した選手でした。168cmという小柄な身長でありながら、クラブでも代表でも世界最高峰とされるチームで戦い続けてきた彼の大きな武器は、破壊力抜群の弾丸シュートでした。

 

とりわけ有名なのは、1997年の対フランス代表戦で見せたフリーキック。

 

ゴール右に大きく反れると思われたボールは、左方向へ鋭くカーブを描きフランスの名GKバルテズをあざ笑うかのようにネットへ吸い込まれていきました。

 

「悪魔の左足」と称され、対戦相手に恐れられていたロベルト・カルロスの弾丸シュートは、どのような方法で蹴られていたのか。UEFA.comが掲載するインタビューからそのアプローチを紐解いていくと、3つのポイントが見えてきました。(翻訳・構成/永田到 参照記事/UEFA.com

 

<目次>

1.ボールの置き方を工夫する
2.弾丸シュートの蹴り方
3.シュートの正確性を高める方法
4.ロベカルが賞賛するベッカムのフリーキック

 

※クリックすると動画掲載サイトに飛びます。

 

■ボールの置き方を工夫する

まずはじめにロベルト・カルロスが言及したのが、ボールの置き方です。強いフリーキックを蹴るためには、ボールのもっとも硬い部分である空気穴を手前にしてボールを置くことが重要だといいます。

 

ロベルト・カルロス以外にも、フリーキックを得意とする選手の予備動作を見ていると、ボールをピッチにセットする際に、多くの選手が空気穴を特定の位置に持ってきていることがわかります。

 

狙った球筋のフリーキックがなかなか蹴れない選手は、キックの仕方に加えて、この空気穴の位置をいろいろと試してみると効果があるかも知れません。

 

■弾丸シュートの蹴り方

2つ目に言及しているのがボールの蹴り方です。ロベルト・カルロスは蹴り方のバリエーションを、インサイドから蹴るパターン、アウトサイドから蹴るパターン、そしてゴールに向けてまっすぐ蹴るパターンと3つに分類した上で、「足をボールにこするように当てて、小指、薬指、中指を引っ掛けてキックする」のが自身のもっとも得意な蹴り方だと明かします。

 

■シュートの正確性を高める方法

3つ目のポイントは、より質の高いフリーキックを打てるようになるための練習方法です。

 

ジュニア年代では、「成人に近いユース年代とは異なり、パワーの強化に取り組む必然性が低い」というロベルト・カルロス。弾丸のような強烈なフリーキックを打つ彼がおススメする練習方法は、意外にもパワーを身につけるものではなく、狙ったところに打ち込めるようにシュートの正確性を高めるものでした。

 

「Tシャツをゴールバーに引っ掛けて、そこにボールを打ち込んでいくようにすればいいでしょう。そうすると、どこに蹴るようにすればいいのかという基準を作ることができるようになります。もしボールを見事に命中させられたら、次はそのTシャツをずらして、もう一度狙っていきます。これを毎日5分、7分と少しでもいいから練習するといいはずです。将来、質の高い選手になるために毎日毎日練習しつづけること、それが大切だと思います」。こうした練習を、通常の練習の後に「最低5分、最長10分間の休憩を入れてから行うのがいい」と言います。

 

ロベルト・カルロスが選手として活躍したころと比べ、近年はメーカーの技術革新によってボールが軽量化してきていることから、同じキックでもかつてと同じコースにボールが飛ばないようになってきています。この点についてロベルト・カルロスは「クリスティアーノ・ロナウドのように、足をボールにきれいな形で当てることができれば、軌道がブレたり、軌道の向きが変わるシュートを打つことができる」と述べます。

 

■ロベカルが賞賛するベッカムのフリーキック

ロベルト・カルロスがもっともリスペクトするプレースキッカーに挙げたのは、デイビッド・ベッカムでした。

 

「(相手チームが作る)壁との距離が近い場合はぼくが、壁との距離が遠い場合はベッカムが蹴るという役割分担でした。チームにFKが与えられたとき、ベッカムがボールの左後方に立ち、私は右後方に立ちます。彼のキックは美しいから、ベッカムのFKを横で見るのは好きでした」
ロベルト・カルロスのような発達した大腿筋を持たない一般的な日本人には、彼と同じような弾丸フリーキックを打つには限界があるかもしれません。しかし、そうしたパワーも、正確性を備えてこそ活きるものです。パワーと正確性をバランスよく磨き、彼に認めてもらえるようなプレースキッカーを目指しましょう。

 

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