テクニック

2014年12月21日

ロナウドでもベイルでもない!レアル・マドリ―を操るキーマン

■攻撃のキーマン、イスコのプレーを分析

一方のケディラはフィジカルが強く、守備面での貢献が高いので、アンチェロッティ監督は中盤を落ち着かせるために、彼を起用したのではないでしょうか。おそらく、クロースはアンチェロッティ監督のもとでプレーすることで、守備についてもっと良くなっていくでしょう。ちょうど、ハメス・ロドリゲスやイスコの守備力が向上したように。
 
イスコもスペイン国内で期待されている選手のひとりです。彼はテクニックが高く、攻守にわたって貢献できる選手です。ただし私が見る限り、試合中に消えている場面が見受けられます。90分を通じて試合に関わり続けられる選手になれば、もうワンランク上のレベルに到達することができるでしょう。
 
クラブワールドカップ準決勝、ベイルが挙げた3点目の起点になったのがイスコでした。自陣左サイドでボールを受けると、すばらしいコンドゥクシォン(ボールを運ぶドリブル)で前進し、ベンゼマへパスを通しました。前に進みながら急にストップして方向を変えるなど、緩急自在のドリブルが持ち味です。同じ特長を持った選手に、FCバルセロナのイニエスタがいます。イスコはイニエスタのようにドリブルで縦に抜けて、相手をかわしてシュートを決めることができます。クラブワールドカップ準決勝の4点目がまさにその形でした。認知や状況判断といった個人戦術に加えて、高いテクニックを兼ね備えているのが、彼のストロングポイントです。イニエスタ(FCバルセロナ)の域に達するにはまだ時間がかかりそうですが、期待の選手であることは間違いないでしょう。
 
レアル・マドリーの強力なアタッカー(C・ロナウド、ベンゼマ、ベイル)とイスコ、クロースはうまく噛み合っています。前線の選手が縦の幅をとってスペースを作り、中盤でイスコやクロースが中心となってボールを動かし、攻め込むスペースを作り出します。ボールを出し入れしながら相手を引きつけて、スペースができたらそこへ圧倒的なスピードで進入していくのです。C・ロナウドとベイルのスピードは疾風のようで、イスコやクロースは速くて正確なパスを送ることができます。そして、ベンゼマはつねに動きまわって味方のためにスペースを作り、自らゴールを決めることもできます。攻守に非常に良いコンビネーション、プレーインテンシティを備えているので、ボールの奪うことが難しく、対戦するチームにとっては脅威でしょう。
 
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