テクニック
2015年1月29日
小学生から覚えておきたい3つの守備コンセプトとは?
■アンカーがスペースを飛び出すときは100%ボールを奪うこと
もちろんこれらのコンセプトは、DFだけが身につけるべきものではありません。守備に関わるすべての選手が、身につけておきたいものです。たとえば、守備時に必要なラインの安定。これはアンカーである長谷部選手が担う役割です。彼の主なプレー位置はピッチの中央、ディフェンスラインの前です。人間の体で言う「おへそ」の位置に当たる、大事なポジションです。ここでプレーする選手は、認知力、判断力、決断力といったインテリジェンスが求められます。
アンカーの位置に選手がいなくなることは、攻撃でつかうことのできる有効なスペースを相手に渡すことを意味しています。そのため、長谷部選手がポジションを飛び出して守備をするときは、確実に相手からボールを奪わなければいけません。そこでボールを奪われずにかわされてしまうと、相手にピッチ中央のスペースを使われてしまうからです。もしポジションから飛び出して、ボールを奪えないのであれば、全速力でもといた位置に戻る必要があります。
しかし長谷部選手のプレーを見ていると、全速力でポジションに戻っていない場面も見受けられました。これは改善の余地があるプレーです。なぜなら、相手が2トップで攻めてきた場合、アンカーの戻りが遅いと、2人のFW対2人のCBという数的同数の状況を作られてしまうからです。
アンカーが第一に考えることは、守備の陣形を安定させること。相手が2トップで来た場合はなおさら気をつける必要があります。そして、相手FWの動きに合わせてDFラインを構築するためには、意志統一が必要です。難しいことですが、一般的に「監督の最初の仕事はラインの構築」だと言われています。
アギーレ監督はスペインリーグの監督時代にチームを成熟させてきましたし、おそらくアジアカップで多くの課題を抽出したことでしょう。彼の能力であれば、修正することができると思います。アジアカップを通じて、日本の試合は悪くはありませんでした。今回、UAEに負けたことで「アギーレが悪い」となるのはよくないと思います。チームの構築で失敗して負けたわけではないからです。W杯と比べても、良くなっています。今後、アギーレ監督がどのようなチームを作るのか、とても楽しみです。
【この記事を読んだ人は、こちらもおススメ】
●おすすめ商品●
「守備の原理原則」を身に付ける指導メソッド
知のサッカーシリーズ最新巻「知のサッカー第3巻」。今回は「守備時の認知」に特化。8歳~18歳までに身に付けるべき「守備の原理原則」と、個人からポジション別まで28の練習メニューを紹介しています。
商品詳細はこちら