テクニック
2015年7月 5日
岩渕真奈が救世主に!?なでしこジャパン2連覇のシナリオとは
いよいよ、明日に迫ったFIFA女子ワールドカップ決勝。果たして、なでしこジャパンはアメリカとの決勝戦をどのように戦えばいいのでしょうか? イングランド戦から見えた、アメリカ戦のポイントとは? “世界的指導者集団”サッカーサービスのポール・デウロンデルコーチによる分析と提言をお届けします。(取材・文 鈴木智之 写真 Getty images)
■後半途中交代の岩渕真奈が救世主に!?
なでしこジャパンのワールドカップ準決勝・イングランド戦、相手に押し込まれ苦しい時間がつづく流れを変えたのが岩渕真奈選手です。彼女は1対1の場面で豊富なテクニックとアイデアを持っていて、ひとりで局面を打開することができる選手です。
決勝のアメリカ戦でも、おそらく後半途中からの出場になると思いますが、彼女がより攻撃に専念し、得意な形でボールを受けることができれば、日本のチャンスは増えると思います。準決勝の岩渕選手のプレーを見ると、2回ほどペナルティエリアに進入したプレーがありました。一度目はクロスを上げたプレー、2度目はドリブルで相手をかわし、シュートを打った場面です。
岩渕選手は4-4-2の2トップの一角として、大野忍選手と交替でピッチに入りました。これは私の意見ですが、彼女のプレースタイルからすると2トップではなく、ウイングでの起用が適しているのではないかと思います。たとえば4-3-3、もしくは4-2-3-1のウイングでプレーしたならば、いまよりもっとプレーしやすく、持ち味であるドリブルをゴール前の局面で活かすことができると考えます。
4-3-3(4-2-3-1)のウイングでプレーする場合、2トップの一角のように、相手のセンターバックがぴたりとマークについているわけではないので、相手を背負ってボールを受けたり、無理な態勢でターンをしたりという場面は、それほど多くは出てきません。ある程度スペースがあって、前を向いた状態でボールを受けられるので、岩渕選手の特徴であるドリブルで相手を抜く、かわすというプレーがしやすくなるのではないでしょうか。
■川澄奈穂美をゴール近くに置きたい
そして、これは右サイドの川澄奈穂美選手にも言うことができます。INAC神戸での川澄選手は、なでしこジャパンのときよりも、相手ゴールに近い位置でプレーしています。それゆえにたくさんのゴールを決めていますが、この大会では右サイドハーフで起用され、多くの時間帯で守備の負担を強いられています。
守備を考えた場合に、4-4-2はより安定したシステムとなるので、ワールドカップという大きな舞台では仕方のないことかもしれませんが、なでしこジャパンのめざす「ボールを保持して攻める」サッカーをするのであれば、川澄選手も岩渕選手と同じように、4-3-3(4-2-3-1)のウイングとして起用することで、攻撃面の底上げが期待できるでしょう。
実際にイングランド戦の決勝オウンゴールは、川澄選手が相手ゴールに近い位置でフリーになったことから生まれています。シュート技術も高いものがあり、ドリブルもできる川澄選手をウイングで使うことで、相手にとってさらに脅威を与えることができると考えられます。
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