テクニック
2015年12月19日
小学生から実践できる!スアレスがゴールを量産できる3つの理由
クラブワールドカップ準決勝の広州恒大戦で、ルイス・スアレスはハットトリックを達成しました。なぜ、彼はゴールを量産できたのでしょうか? 日本でスクールやキャンプを展開する、スペイン・バルセロナ発の指導者集団『サッカーサービス』のフリアンコーチに、スアレスがゴールを量産できる理由について訊きました。(取材・文 鈴木智之)
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■ゴールを決めるためのマークをはずす動き
私は数多くの試合、選手を分析してきましたが、スアレスがゴールを決めることができるのには、3つの理由があると考えています。
まず1つ目の理由。それは“マークをはずす動き”です。スペインでは“デスマルケ”と呼びますが、スアレスは相手のマークを外し、パスを呼びこむ技術に長けています。ゴールを決める上で重要なのが、マークをはずす位置です。一般的な例として、多くのFWはピッチの中央から外へ向かって、相手のマークをはずす動きをします。最初はピッチの中央にポジションをとっているのですが、ボールを受けるために、ペナルティエリアの横のゾーンへと、中央から斜め外側に侵入することでマークをはずします。
これは、レアル・マドリーのベンゼマが得意とするプレーです。彼はピッチの中央部から外に動くことでマークをはずし、ゴールの中央部にスペースを作ります。そうして出来たスペースにC・ロナウドやベイルが走り込み、シュートを打ちます。これは味方のプレーするスペースを作る上では大切なプレーですが、スアレスの場合、自分がゴールを決めるためにデスマルケ(マークをはずす動き)をします。
彼はピッチの中央から外ではなく、ピッチの中央の位置から、相手ゴールに向かってデスマルケをするのです。そのコンセプトが現れているのが、広州恒大戦の2点目の場面です。スアレスはイニエスタにパスを出した瞬間に相手のマークをはずし、ゴールへの最短距離を突き進み、パスを受けてシュートを打っています。このように、スアレスは多くの場面で、相手ゴール前、ピッチ中央のゾーンでプレーしています。そこでボールを受けることが、ゴールを決めるために重要なことだと知っているからです。
■つねに動きつづけることでゴールは近づく
スアレスはゴールを決めることを第一に考えてポジションをとりながら、あることを絶えず行っています。それが2つ目のポイント、つねに動き続けることです。彼はペナルティエリアの中で止まることがありません。その特長が現れているのが、広州恒大戦の先制ゴールです。映像を見るとわかると思いますが、ゴール前に広州恒大の選手が6人、バルセロナの選手が3人いましたが、シュートを打った瞬間に動いているのはスアレスただ一人でした。広州恒大のDFがボールを見ている間に、スアレスは走り出しています。これはFWに必要な特別な動きであり、我々サッカーサービスでは、18歳頃のポジション別のトレーニングで身につけるように指導をしていきます。
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