テクニック
2018年3月22日
ドリブル上達の秘訣は馬跳び?サッカー選手にも必要な全身を動かすトレーニング
個人技指導のスペシャリストとして知られるフリーのプロサッカーコーチ・三木利章さんに聞くドリブルを通じた「動き創り」のコツ。2回目の今回は、テクニックに自信がない選手やサッカーを始めたばかりの選手が、どのような練習をすればドリブルが上手くなれるかをお聞きしました。(取材:森田将義)
1回目:無名の街クラブを準優勝に導いた「動き創り」のためのドリブルトレーニングとは?3回目:選手に何を学んでほしいのか?指導者が陥りがちなコーンドリブルの落とし穴
■手押し車のトレーニングでドリブルが上手くなる!?
【動画】コーンドリブル練習をするグローリアガールズの選手たち
動画のように、軽やかなドリブルでコーンの間をすり抜けていくグローリアガールズの選手たち。
しかし、彼女たちは最初からドリブルが上手かったわけではありません。 幼少の頃からサッカーをしている選手もいれば、中学生になってから初めてサッカーボールに触れた選手もいます。サッカー歴は様々ですが、練習ではほとんどの選手がスムーズな重心移動でコーンドリブルを行っています。 彼女たちはどのようにして、短期間で軽やかなドリブルを身に付けることができたのでしょうか。
「サッカーは足だけでするスポーツだと思われがちですが、スローインや相手をブロックする際には手も使います。頭の先から手の先、つま先まで全身を使う必要があるのです。そのため、ボールを扱う技術の前に、まずは思い通りに身体を動かせないとうまくなれません」と三木さんは話します。
グローリアガールズでは、1日2時間という短い練習時間の中でも、身体を自由自在に動かすための「動き創り」のトレーニングに、最低でも40分を充てています。取材に伺った日には、ボールを扱う前のウォーミングアップとして、馬跳びや倒立、手押し車に加えて、縄跳び二重跳びなどを行っていました。
一見、サッカーとは関係がないトレーニングばかりですが、こうしたトレーニングをするのには理由がありました。手押し車を例に挙げると、手で全身を支えるという動作は普段、日常生活でしない動きです。このような非日常の動きを行うことで、神経系と脳に新たな刺激を与えることができ、身体がスムーズに動かせるようになります。手押し車での前進が簡単にできるようになれば、次に後進や横移動に変えます。すると、また新たな非日常の刺激を与えることになり、さらに身体の可動域が広がり、選手の「動き創り」に繋がるのです。
■非日常な動作を使って子どもの動きの引き出しを増やす
「左足が蹴れない、ヘディングができないという選手が多くいますが、できないのではなく、やってきていないだけだと僕は思います。運動経験が少ないと嘆いても仕方がないので、それならトレーニングで運動経験を増やそうというのが、僕の考えです」と語る三木さん。そのため、貴重な練習時間の多くを、三木さん流コーンドリブルを含めた「動き創り」のトレーニングに充てているのです。
【PR】三木コーチ監修のテクニック上達専用サッカーボール>>