テクニック

2022年5月 6日

元J2日本人得点王が教えるシュートスキル!ゴールを奪う為の「軸足の置き方」と「体の使い方」を磨く練習法

「サッカー指導者のためのオンラインセミナー『COACH UNITED ACADEMY』では、U-8やU-10など、サッカーと出会ったばかりの子どもを指導する際の参考になるトレーニング動画を多数配信中だ。

U-10年代になると、蹴ったボールが飛ぶようになり、シュートの楽しさを感じられるようになる。また、正しいシュートフォームを身につけることは、トレーニングで取り組みたい事柄のひとつだ。

そこで今回は、柏レイソル・ヴァンフォーレ甲府などでストライカーとして活躍した長谷川太郎氏に「決定力を高めるシュートテクニックを磨く練習法」を教えてもらった。「シュートの指導が難しい」「シュート練習のバリエーションが少ない」などの悩みを持つ指導者は、ぜひ参考にしてほしい。(文・鈴木智之)

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現役時代の2005年シーズンには、J2の日本人トップとなる17ゴールを決めるなど、シュートスキルに定評のある長谷川氏。引退後『TRE2030 STRIKER ACADEMY』を立ち上げ、「2030年 みんなで育てよう!W杯得点王」をスローガンに、子どもから大人まで、幅広い年齢層にトレーニングを提供している。

シュート決める為に必要な軸足づくりと基本フォームを身に付ける

最初の動画は「 シュートフォームを安定させる軸足づくり」をテーマに実施。シュートを打つ際に大切な軸足の置き方、体の使い方にフォーカスしていく。

長谷川氏は「トレーニングで大切なのは、子どもたちがチャレンジしやすい環境づくりとチャレンジ機会の創出です。シュート回数をできるだけ多く確保できるように、トレーニングを構築します」と説明。

さらに「今回のトレーニングでは、シュートを打つときにポイントとなる軸足の安定性とGKとの駆け引きに必要な体の向き、ゴールの見方、ボールの置所を教えていきます」と話し、最初のトレーニングに入っていった。

ウォーミングアップで取り掛かったのはジャンプ動作。

(1)軸足をクロスさせて、反対に踏み込む

(2)軸足をひねり、体を開く

(3)正座から、上半身を使って立つ

(4)軸足を前・横のリズムで踏み込む

上記の順番でジャンプをし、シュートに必要な動作を体感していく。長谷川氏は「上半身を使って、バランスをとりながらやりましょう」と話し、ボールのない状態で、シュート動作を繰り返していく。

「シュート打つときは、軸足をボールを蹴る方向に向けたいので、つま先をまっすぐ向けよう。ひざを少し曲げて、おしりを少し落とすイメージで、ピタッと止まることを意識しよう。顔を下げず、目線を下げてボールを見るイメージでやってみよう」

続いては、シュートを打つ要領で、足を振る動作に移行。ここでは「上半身を使うのが難しい場合は、両手を上げてTの字を作ることを意識しよう」とアドバイス。

その後、シュートの動きのストレッチや「正座の状態からのジャンプ」など、子どもたちの動きを見ながら、微調整を加えていく。

次は、真横に軸足を向けて、上半身をひねって足を振る動きにトライ。

長谷川氏は「肩を後ろに回すことで体が開き、軸足がゴール方向へ向きやすくなる」「踏み込むときに頭を下げず、ゴールとボールを同時に見る意識でやってみよう」「ボールがないところで上手に体を動かすことができれば、いいシュートが打てるようになる」と声をかけ、子どもたちの意識を高めていった。

シュートコースを打ち分ける為の軸足と上半身の使い方を磨く

続いては「コースに打ち分けるためのシュートスキル」のトレーニング。ゴールの両脇に、それぞれ赤と青のコーンを立て、ゴールポストとコーンの間をゴールに見立てる。右足でシュートを打つときは右側、左足でシュートを打つときは左側のゴールを狙うというルールだ。

まずは、フラットマーカーの横にボールを置き、ワンステップでゴールを狙う動作から。ポイントは「シュートのときにおへそを隠すこと」「軸足のつま先を、蹴る方向へ向けること」。

長谷川氏は「右も左も蹴れる体の向きを作ることで、GKはどちらにシュートを打つかわからないので、シュートが決まりやすくなる」とアドバイスしていた。

さらには「ボールの軌道を見た中で、つま先をゴール方向に向けて、フォロースルー(蹴った後の足の振り)を合わせると、狙ったコースにシュートが飛んでいく」と、具体的にレクチャー。

蹴り方のコツを教わった子どもたちは、反対サイドへ、力強い弾道のシュートが飛ぶようになっていた。

最後は、動いたボールをシュートに持ち込むトレーニング。転がってきたボールに対して、これまで教わった軸足の向きやおへそを隠すことなどを意識して、シュートを打っていく。

ここでは「上半身、肩をしっかり回そう」「ボールに対して回り込まず、軸足をあわせる」といったポイントをコーチングしていった。

動画を通じて、動作を具体的に指導しており、どこに意識を向けて、どのように足を振るのかなどが非常にわかりやすい。J2日本人得点王になった長谷川氏の「ゴールを決める秘訣」が簡潔に提示されているので、繰り返し見て、指導の参考にしていただければと思う。

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【講師】長谷川太郎/
柏レイソルユースから1998年にトップチームに昇格しJリーガーに。
その後、複数のJクラブを渡り歩き、1999年には柏レイソルでヤマザキナビスコカップ優勝、2005年に所属していたヴァンフォーレ甲府ではJ2日本人得点王を記録。そして、J1昇格へと導く。
2014年海外完全移籍、インドリーグ(1部)ムハンメダンSCに完全移籍し2014年6月限りで現役を引退。
2015年より一般社団法人TREを設立。【TRE2030 Striker Project】〜2030年 みんなで育てよう! W杯得点王〜というビジョンの元、ストライカー育成を行い、自社スクールだけでなく、多くのクラブへストライカーに必要な考え方やスキルを伝えている。2017年よりブリオベッカ浦安で日本初ストライカーコーチとして就任。

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