テクニック

2024年1月23日

神奈川県を制して全国大会ベスト16。横浜FMプライマリーの指揮官が感じた「メンタリティ」の重要性

2023年末に行われた、「第47回全日本U-12サッカー選手権大会」。育成年代の指導法を幅広く動画で紹介する「COACH UNITED ACADEMY」に出演経験のあるクラブ・指導者も多数出場した。

神奈川県代表の横浜F・マリノスプライマリーは、グループリーグで3連勝を達成。土井孝徳監督の言葉とともに、初戦の様子を振り返る。(取材・文:鈴木智之/写真:渡邉健雄)

横浜F・マリノスプライマリーが実践する
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(グループH 第1節。横浜F・マリノスプライマリー(白)vs センアーノ神戸(赤))

「神奈川予選のときのように、しぶとく戦えた」(土井監督)

横浜F・マリノスプライマリーは、優勝経験のあるセンアーノ神戸(兵庫)、岡山の強豪オオタFC、岩手のミルマエFCと同居するグループで9得点1失点。3連勝で決勝トーナメント進出を決めた。

緊張感漂う初戦は、強豪センアーノ神戸を相手に、開始2分にあげた中島颯汰選手のゴールを守りきり、1対0で勝利。土井孝徳監督は「硬い試合でしたね」と苦笑いを浮かべたが、攻守ともに要所を抑えた試合運びだった。


(センアーノ神戸戦で決勝点を決める中島颯汰選手)

「内容的に追いつかれてもおかしくない試合でしたけど、神奈川予選のときのように、しぶとくできたのが良かったです」(土井監督)

神奈川予選では、バディーSCや川崎フロンターレといった強豪をくだし、出場権を獲得。攻守にバランスがとれたチームとして、全国の舞台に乗り込んできた。

「全国大会ですが、特別に意識はせず『普段やってきたことを出そう』と言って送り出しました。この試合では、最初に1点取ったあと、押し込まれた時間帯もありましたけど、失点ゼロに抑えられたことは、県予選で強い相手と試合をする中で、守る習慣ができていた部分だと思います」


(大会中にインタビューを受ける土井監督)

守備ではキャプテンの小川陽選手、長身の佐野翼選手を軸にボールを奪い、ボールを左右に動かすビルドアップから、攻撃を展開した。

「慣れない環境でも、いつも通りのプレーをするのが大切」(土井監督)

COACH UNITED ACADEMYでは、土井監督に「ビルドアップから前進する縦パスと横パスの使い分け」をテーマに、トレーニングを実施してもらったが、全国大会初戦では、慣れないピッチ、初戦の緊張感もあり「攻撃へのテンポが出せなかった」と振り返った。

「メンタル的なところと、芝生でのボールスピードが普段と違うこともあり、ストレスがあったように見えました。2戦目、3戦目と試合をこなすごとに、もう少しできるようになると思います」

その言葉どおり、2戦目のミルマエFC戦では、最終ラインのビルドアップで相手を引き込み、サイド攻撃を繰り出してゴールを奪取。2連勝を飾ると、3戦目のオオタFC(岡山)戦では、大量6ゴールをあげて快勝した。

土井監督はこの大会に向けて「選手たちには、いつも通りのプレーを出すことが一番強い」という話をしたという。激戦区の神奈川を勝ち抜く中で培ってきた技術や戦術、メンタリティを発揮すれば、全国での結果もついてくる。

ジュニア年代の総決算とも言える、今大会。ジュニアユースを見据えるにあたっては「選手自身が、目を輝かせてやることが大事だと思う」と述べる。

「その姿勢があれば、ジュニアユース、ユースに行ったときにも伸びてくれると思います。選手が目を輝かせて、自分のプレーを思い切って出せるようにしてあげたいです」

横浜F・マリノスプライマリーは、キャプテンの小川選手を中心に、攻守に存在感を放った佐野選手、攻撃の要としてチャンスを作った坂東仁選手、ゴールを量産した中島颯汰選手、山田湊斗選手など、各ポジションにタレントを擁していた。

彼らが今後、カテゴリーの階段をどのように駆け上がっていくのか。注目したい。

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