考える力
2014年9月25日
あなたはレフェリーを積極的に楽しめていますか?
17条からなる競技規則には書かれていないことを積極的に行うことで、誰もがレフェリーを楽しめるようになる! そのようなメッセージが込められた『ポジティブ・レフェリング』が発売されました。著者は日本サッカー協会前審判委員長の松崎康弘氏。イングランドでもレフェリーとして活動した松崎氏に、お父さん・お母さんレフェリーもできる「ポジティブ・レフェリング」について訊いてきました。
取材・文 石井紘人(@FBRJ_JP)
■積極的に楽しむレフェリングとは?
―ポジティブとレフェリングという単語はあっても、「ポジティブ・レフェリング」という言葉は今までになかったと思います。まずは、「ポジティブ・レフェリング」というタイトルに込めた思いを教えてください。
本当は「プロアクティブ」という言葉を使いたかったんです。「プロアクティブ」は待っているのではなく、自ら積極的に相手に対応していきましょうという意味になりますが、「プロアクティブ」という言葉を日本語でご理解頂くのはちょっと難しいかなと。そこで、「パッション」、情熱も考えました。ただ、積極的にレフェリングを楽しもうという考えや、選手に対しても積極的に接するということで、「ポジティブ」もいいのかなと(編集部とのミーティングで)決まりました。
―なるほど。では、この本には「積極的に対応しよう」というメッセージが込められているのでしょうか?
そうです。もうひとつのメッセージが「積極的にレフェリングを楽しみましょう」です。大きくいうとそのふたつですね。
―小中学校の試合で、積極的にレフェリーをやろうとするお父さん・お母さんレフェリーがいます。ただ、一試合レフェリーをやって、周囲から判定に対する不満の声が聞こえてきたりして、嫌になる人もいると思うんです。その辺もポジティブに受け止めようというのもあると思うのですが、どうすればポジティブに受け止められるようになりますか?松崎さんの経験からコツを教えて下さい。
どのくらいレフェリーとして、心が強いか強くないかというのはあると思いますが、ポジティブに考えられるのであれば、たとえばこういう判定がありました。レフェリーは一番近い位置にいて、正しいと思っている。周りは文句を言っている。それを文句ではなくて、「注目されている」と思うのはどうでしょうか。そして、「皆は文句を言っているけど、本当は僕が正しいんだよ」とポジティブに考える。