考える力
2015年1月19日
バイエルンも実践!CBの選手に伝えたい"ボールを運ぶプレー"
■ゴール前の守備は"相手に触れる距離"を保とう
イラク戦で攻め込まれる場面はほとんどありませんでしたが、今後、強力なアタッカーを擁するチームと試合をするときに、気をつけたほうが良いプレーがありました。それは守備時の相手選手との距離です。ボールの位置に応じて、自分とマークするべき相手の距離は変わります。ボールが逆サイドにある場合、マークすべき選手に対して、それほど近くにいる必要はありません。ですが、ボールとの距離が近くなり、それがペナルティエリアであれば「手を伸ばせば相手に触ることのできる距離」でマークをする必要があります。
日本の選手のプレーを見ていると、ペナルティエリアやその近くで、相手選手を不用意に離してしまう傾向がありました。一流のアタッカーは、ほんの少しの隙間を与えるとシュートに持ち込んできます。これはブラジルW杯の経験からもわかると思います。私が見る限り、ゴール近辺で相手との距離が離れている印象を受けました。バルセロナの闘将として、長く最終ラインに君臨したプジョルは、この動きを30歳過ぎてから身につけました。それまでの彼は「ボールを奪ってやる」という意識が強く、マークする相手を離してボールに寄ってしまうプレーがよく見られました。その後、プレーの改善をした結果、2010年の南アフリカW杯では相手を封じ込める、すばらしいプレーで優勝に貢献しました。
またプジョルも身につけたコンセプトに「CBが最終ラインを離れてボールホルダーにアプローチに行った後、全速力でもとのラインに戻る」というものがあります。ラインが崩れていると、相手FWに決定的な仕事をするためのスペースを与えてしまうからです。このコンセプトは、森重選手はうまく実行していました。一方の吉田選手は、そこまで意識的には行っていないようでした。これまでパレスチナ、イラクとそれほど攻撃力のあるチームではなかったので、ピンチを招くことはありませんでしたが、今後、準々決勝、準決勝と進んでいくにつれて、強力な2トップを相手にした場合、危険な場面を作られるかもしれません。とくに相手の2トップが“日本のCBを動かす意識”を持って動いてくると、ラインが壊れてスペースを与えてしまう可能性もあります。そこは今後も意識しておきたい部分です。
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