考える力

2015年2月12日

あなたの"当たり前"が、子どもの成長を阻害する可能性

■あなたの当たり前は、単なる先入観ではありませんか?

「では今度は、先ほどワークシートに書いていただいた課題や実現したいことのうち、この時間でもっとも解決・達成したいことは何ですか?その答えを一つ選んでお書きください」
 
考える時間や伝え合いの時間をしっかりとりつつ、ワークショップはテンポよく進んでいきます。次の質問は「この時間でもっとも解決したいことは何ですか?」。私の場合はやっぱり、息子がこの時期から勝ちにこだわりすぎることが一番気がかりなので、その悩みを別のパートナーと伝え合いしました。
 
「ではつづけて、今書き出した課題、悩み、不安、もしくは実現したいことについて、なぜそれが問題なのですか?もしくはなぜそれを実現したいのですか?その答えをお書きください」
 
なぜそれが問題なのでしょう。う~ん、なぜと問われると正直自信がありません。でも、スポーツはもちろん勝利を目指して努力するものだけど、勝つときもあれば負けるときもあります。だから勝ったときだけ喜ぶのではなく、負けたときにも何かを学べる子になってほしい、そんな思いがあるから問題なのかなと。
 
「はい、ありがとうございます。いまお答えいただいた2つの質問で大切なことは、何が問題になっているのかを知るということです。
 
たとえば、こんなことがありました。ある子どもがサッカーの試合で、スルーパスに抜け出してキーパーと1対1になって、最後にシュートを外すわけです。そのとき僕はひどいコーチだったので、『何やってんだ!』と怒鳴りました。『あんなの簡単だろ、決めろよ!』『ちゃんとキーパーを見て、コース狙って打てばいいんだよ!』と。でも、問題はもしかしたらシュートの仕方じゃなかったかもしれません。
 
今だったら僕はその子に『どうしたの?』『あのとき何が起こったの?』と聞くでしょう。そうすると、ボールがイレギュラーバウンドしてコントロールがうまくいかなかったのかもしれないし、コントロールして顔を上げてみたら目の前にキーパーがいて焦ったのかもしれません。あるいはシュートを打とうとしたらまわりの声が気になって、右か左どっち打てばいいかわかんなくなっちゃった…ということも考えられます。
 
事象としては"ある子がキーパーと1対1でシュートを外した"という場面でも、本当に何が問題なのか傍目からはわかりません。本人に聞いてみないとわからないわけ です。でも僕らはついつい見た目や思い込みで、指示・命令をしてしまうことがある。そうすると、本当に問題だったことを見過ごしたまま、じつは問題ではないことを解決することになってしまいます。ですから、まずはその場面で何が問題なのかを知るということが大切になるのです」
 
なるほど。藤代さんのコーチ時代のエピソードを聞いて、「何が問題なのか知ることが大切だ」という意味がよくわかりました。グループの伝え合いでも実感しますが、他の誰かの経験談が呼び水になって、自分の中に新しい気づきや考えがわいてくる…この<エピソードの力>がワークショップの醍醐味の一つですね。
 
ここで「考える練習」で大切にしたい4つのポイントをおさらいしておきましょう。

考える練習4つのポイント
1.書き出してみる
2.一人ひとり違う
3.先入観を捨てる
4.何が問題なのかを知る
(表組みにする?)
 
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