考える力
2015年2月27日
子どもが集中してプレーできる環境づくりこそ大人の務め
練習3:シューティング
【ルール】図のようにコーンドリブルを開始するポイントを3つ用意する。ドリブルを開始する3選手はそれぞれ時間差をつくってスタート。最初にシュートを打った選手は、隣のレーンの選手のドリブルやシュートに対して守備をスタート。さらにその選手もシュートを打って攻撃が終了した瞬間に守備をスタートし、シュートを放った2人が、3人目のシュートを阻止すべく素早く切り替えて守備をする。
【トレーニングスペース】25m×20m
【コーチングポイント】パス、シュートを両脚で行う/ボールをもらう際にゴールが見える身体の向きを意識/ワンタッチ、ツータッチでのコンビネーションプレー
■守備を意識するあまりシュートがおざなりになっては本末転倒
普段のトレーニングで単なるシュート練習を漫然と繰り返すだけではシュート精度の飛躍的な向上は期待できません。また、実際の試合では、シュートを打った後にはこぼれ球が生じたり、相手ボールになった瞬間の守備が生じたりするもの。それらにもしっかり反応できるように普段の練習から意識づけを行うことが重要です。このトレーニングによってシュートだけでなく、その前後のアクションにメリハリを作ることができるでしょう。
『モダンフットボール』を提唱するクラウスのトレーニングメニューでは、ドリブルからシュートまでの流れには"コーンを一列に置く"という設定はありません。しかし、鈴木コーチがいざ"コーンのない状態"で子どもたちに実践してもらうと、“シュートを打ったあとの守備”を意識するあまり、最初のドリブルやシュートが雑になってしまう傾向がありました。そこで鈴木コーチは子どもたちの様子を見ながら、子どもたちに合うように少しだけ設定を変えて対応。
FC WASEDAのトレーニングアレンジ
「最初のドリブルをする際にコーンを何個か設定することで、まずはドリブルからシュートまでの流れにしっかり集中してもらうように促しました。このトレーニングの狙いは、まずはドリブルからのシュート、そして、シュートを打ったあとのこぼれ球への反応や、攻撃を終了した直後の守備への素早い切り替えです」
このトレーニングを続けることで「子どもたちのシュートへの意識や、シュートを打ったあとのボールがないところでの動きの質が上がったと感じます」といい、こう続けます。
「気を付けてほしいのは、このトレーニングで重要なのは、試合を想定した状況でのドリブルからのシュート練習、それと、その後の切り替えの意識。そのシュートを打ったあとのすばやい切り替えがスムーズに行えるようになると、2人目、3人目の攻撃の選手には常に1対1や1対2という状況ができるようになります。しかし、そのシチュエーションがあまりに長く続いてしまい、なかなかシュートまで行けない、といった場合には、このメニューのテーマとは外れてしまうので指導者が途中でストップすることも必要なのだと思います。トレーニングのテーマに絞ってメリハリをつける重要性もクラウスが繰り返して言及していることです」
■大切なのはメニューではなく子どもをプレーに集中させること
最後に、鈴木コーチはこれらのトレーニングを行う上で大事なことに触れて締めくくりました。
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育成改革によりEURO2000の惨敗からたった10年で復活を遂げたドイツ。個の強さにテクニックと創造性を備え、全員が走ってパスをつなぐ最強の「モダンフットボール」へと進化しました。名門1. FC ケルンの育成部長も務め、多くのブンデスリーガを育てたクラウス・パブストがその最先端トレーニングを伝授。U-12指導者向け教材『モダンフットボール【MODERNER FUSSBALL】』詳しくはこちら>>