考える力
2015年6月10日
親は子どもの『自立』を尊重すべし、親自身も『自立』をすべし―。名門高校監督の教え
前回、伸びる選手の絶対条件について話をしてくれた四日市中央工サッカー部の樋口士郎監督。選手の親とチームスタッフとの関係性や、自立することがサッカー選手にとってどれだけ大切なことかを自身の経験をもとに語ってくれました。今回のテーマは、名門校ならではの競争社会に身を置く子どもに、親としてどのように関わっていくべきか。キーワードは『覚悟』と『自立』です。(取材・文・写真 安藤隆人)
■競争は子どもを成長させる起爆剤
親の立場からすると、我が子に対して慈悲の愛が生まれることは当然のことだ。しかし、自らの意思で競争の世界に身を投じた息子に対しては、時にその気持ちを抑えることも必要になってくる。これはジュニア年代にも言えることだが、親の現場介入は非常に危険な兆候である。高校サッカーも競争の世界。強豪校であれば、高いモチベーションと目標を持った実力者が多数集まってくるのだから、競争の激化は当然である。そこには『ただの部活動』とは言えない厳しい世界が存在する。そこに『四中工でサッカーがしたい』、『選手権に出たい』、『プロになりたい』という強い意志をもった選手たちが入学してくる。つまり自ら進んで競争の世界に身を置くことになるのだ。そこには『覚悟』がある。
「私たちは親御さんにもオリエンテーションをします。『自立』が重要なテーマで、ウチはサッカー部としての基本理念をうたっているので、これを僕らと一緒に共有して下さいと話します。苦しいこともしんどいこともあるけれど、『この経験が選手を育てているんですよ』と伝えます」
四中工の指導理念。それは樋口監督がサッカー部の中核を担うものとして、明確に記されている。
四日市中央工サッカー部基本理念1. 目標・ワールドカップで活躍できる選手を育成する・情熱あるいい指導者を育成する2. 理想の選手像・パーフェクトスキルをもった選手・状況判断を的確に速く行える選手・イマジネーション豊かな選手(常に次のプレーの事を考えられる選手。予測・イメージ)・90分戦える体力と精神力を持った選手・日常生活からセルフコントロールできる選手・常にチームの事を考えて行動できる選手3.理想とするチーム像・誰からも応援してもらえるチームでありたい・部員としてOBとして誇りをもてるチームでありたい・能力や学年に関係なくサッカーを愛する仲間として、尊重しあえるチームでありたい
このコンセプトのもと、四中工サッカー部は動いている。選手、スタッフがこの理念を共有した上で、競争と言う名の切磋琢磨をしていく。
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