考える力
2015年11月30日
スカウトしたくなる子どもの親が実践する、父と母の役割分担とは
アーセナルサッカースクール市川のゼネラル・マネジャーを務める興津大三さんは、10年間に渡って清水エスパルスのスカウトとして活動していました。スカウト時代には岡崎慎司選手(レスター/イングランド)を始め、岩下敬輔選手(ガンバ大阪)、藤本淳吾選手(横浜F・マリノス)、大前元紀選手(清水)など、たくさんの後の日本代表選手を獲得するとともに、多くの“子どもをプロに育てた親”と接してきました。当時の経験をもとに、前回の記事では「父親がすべきどものサポート」について話してもらいました。今回は「母親がするべきサポート」について、アドバイスをもらってきました。(取材・文 鈴木智之)
■母親は子どものサッカーに熱くなっていい
サッカーをする子に対して、お母さんはどのようなスタンスで関わればいいのでしょうか? 興津さんは、次のような考え方を教えてくれました。
「お母さんは自由にお子さんのサッカーに白熱していいと思います。夫婦の役割を見ると、母親は自分の思ったことを発散し、それを“掃除”するのは父親の役割です」
たとえば、母親が子どもに対して感情的になって、否定的なことを言ってしまったとします。そこで「お母さんはああ言ったけど、お前のためを思って言っているんだよ」と、母親の言葉をフォローするような声掛けをすることで「お父さんはぼくをサポートしてくれているんだ」と実感していきます。
「男の子にとって、褒められるとうれしいのは、母親よりも父親です。同じく、厳しいことを言われると、重く受け止めるのも母親よりも父親の言葉です。父親の言葉は影響力があるので、なるべくマイナスなことは言わずに、子どものやりたいことや考え方を肯定し、支えてあげる。それが大切なことだと思います」
■父親はクールに母親は熱く、子どもの試合を応援しよう
小学生の子どものたちのサッカーでよく見る光景に、「試合後の親から子へのダメ出し」があります。帰りの駐車場や車の中で、父親が子どもに「なんであんなプレーをしたんだ!」などとキツく言ったり、強めにアプローチをしてしまう。そのような姿を見かけたことのある人も多いのではないでしょうか。
「自分の子をもっとうまくしたいという気持ちの表れだと思いますが、私の経験から言うと、父親が子どものサッカーに熱中し過ぎると、子どもの成長に逆効果なことがあります。これは、母親がのめり込むのとはわけが違います。父親は過度な口出しをせず、子どもから一歩離れた位置で見守る。それが、結果として子どもの成長につながると思います。私がスカウト時代に関わらせてもらったプロ選手のお父さんの多くが、このようなスタンスで子どもに接していました」
お父さんは一歩離れた位置で見守り、お母さんは子どものそばでサポートする。それが、子どものサッカーに対する理想的な関わり方のようです。
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