考える力
2016年2月 2日
「技術だけをいくら教えても、いい選手は育たなかった」早稲田大学ア式蹴球部監督が大切にする、たったひとつのこと
■オフ・ザ・ピッチで養う考える力がオン・ザ・ピッチでも役立つ
サッカー以外にも関心を持たせて知見の幅を広めつつ、役職などを与えて責任感や権限を持たせることで、考える力と判断力をオフ・ザ・ピッチの面で育てる。この古賀監督の指導方針は、オン・ザ・ピッチでも効力を発揮します。
「ピッチの中でも90分の中で、さまざまな問題が出てきます。問題が出てきたときに指導者に頼るというよりも、自分で考えて、仲間に発信、共有して、チームとしてどう戦うべきかを伝えられる。そういう選手がチームには必要ですし、ぼくが指導してきたなかでも、島田選手のようにその能力を獲得した選手はいます」
島田譲選手以外にも、古賀監督の指導を受けた後にJリーグ入りを果たした三竿雄斗選手(湘南ベルマーレ)、富山貴光選手(サガン鳥栖)、松澤香輝選手(ヴィッセル神戸)らも、ピッチ内外で、人一倍強い責任感と謙虚な姿勢、考える力を示していたことが印象的です。また、プロサッカー選手にはなれずとも、一般企業で活躍をしているOBも数多く存在します。そういった面で考えると、この指導方針はサッカー選手を育てる目的以外にも、人を育てるという点で非常に有益なものなのだと感心します。
この早稲田大学ア式蹴球部の特徴は、古賀監督の就任当初は影をひそめていたと言います。
「モラルを守るという意識が、チーム全体をとおして薄れていた」
と古賀監督は振り返りますが、どのようにその状況を改善して、いまの強い組織をつくりあげたのでしょうか。そこには親として、サッカーをする子どもを育てるためのヒントも多く散りばめられていました。
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