考える力
2016年2月25日
「間違いなく親御さんたちの応援のおかげ」グランセナ新潟の全少初出場をたぐり寄せた親の力
昨年、新潟県代表として全日本少年サッカー選手権大会に初出場を果たしたのが、グランセナ新潟フットボールクラブです。グランセナの選手たちは全少に出場するため、新潟県予選で8試合を勝ち抜かなければいけませんでした。グランセナの育成強化部長を務める須田敏男さんによると、厳しい戦いを勝ち上がり、クラブ史上初の全国大会出場を決めた理由に、選手、コーチ、親の“三位一体”となって臨む姿勢があったそうです。(取材・文 鈴木智之 写真提供 グランセナ新潟フットボールクラブ)
■親たちが、チーム全員を自分の子どものように応援してくれていた
全国大会に出場した学年は、クラブを立ち上げた時にスクール生として入部した選手たちでした。選手同士はもちろんのこと、親同士の結束も強く、須田さんは「どの親も、チーム全員を自分の子どものように応援していました。その姿を見たとき、この学年は良い成績を残すんじゃないかと思いました」と語ります。
全少出場枠を争う新潟県大会、一番の山場は準々決勝でした。前半は1-2で折り返し、残り時間もあとわずか。ここで負ければ、全少に出られなくなってしまう……。そんなとき客席から選手たちの背中を押したのが、親御さんたちの応援でした。須田さんは言います。
「監督の高井に後から聞いた話ですが、この試合は親御さんたちが選手たちにかける言葉がすごく前向きで、みんなでチームを応援していました。結局、試合終了間際に追いつくのですが、この試合に勝てたのは間違いなく応援の力だと思っています」
■チームを変えた縦割りのチーム作り
チームと親がどうコミュニケーションをとっていくか。これは小学生年代のチームを運営するうえで、避けて通ることのできないものです。グランセナは、須田さんが就任した2年前から、選手のレベルによって“飛び級”をする『縦割りのチーム作り』を導入しました。チームの方針を発表した当初は、親から「せっかく学年ごとのまとまりがあって、チームワークも良いのに、なぜ縦割りでチームを作るのですか?」という意見もあったそうです。
そこで須田さんはチームの考えを丁寧に親に伝え、理解をしてもらったうえで、縦割りのチーム作りを進めていきました。須田氏が親に話をした縦割りのメリットは「競争をすることで、サッカー選手として人間として成長する」ことです。須田さんは言います。
「縦割りのメリットは、チーム内で競争が増えることで切磋琢磨し、人間的にも成長すること。そして、結果として選手間でのコミュニケーションも増えることです。うちの選手たちを見ていると、仲良しグループではなく、お互いになんでも言い合える集団になったと思います。上級生が下級生に伝えてくれるので、言葉や行動をより考えるようになりましたし、それによって人間的な成長のスピードも速くなったと思います。デメリットとしては、低学年は高学年の言動を見て真似をするので、言葉遣いが乱暴になったり、相手をリスペクトしないプレーが出ることもあります。それも親に対して、事前に"そういうこともあります"と伝えました」
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